2010年7月号掲載

世界でいちばん会社が嫌いな日本人

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著者紹介

概要

世界的に見て、日本人の「会社への帰属意識」や「仕事への熱意」は最低レベル。そんな衝撃的な事実が、米ギャラップ社の調査で明らかになった。過去、多くの海外企業を見てきた著者は、“窮屈で楽しくない職場”がその原因だと指摘。そうした魅力のない会社にしてしまう上司、経営陣の問題点を語るとともに、働き甲斐のある会社に共通する企業文化を紹介する。

要約

日本の働き甲斐は世界最低

 民間企業、官庁、病院…。世の中では、多くの人が様々な組織で働き、世の中に貢献している。

 しかし、彼らは楽しく働いているだろうか。残念ながら、多くの人はそうであるとは思えない。

 というのも、日本人の「会社への帰属意識」や「仕事への意欲」がかなり低くなっていることが、いくつかの調査で明らかになっているからだ。

 2005年に発表された、日本人1000人を対象とする米国ギャラップ社のアンケート調査の結果では、仕事への熱意と会社への帰属意識が「非常にある」と判定された人の割合はわずか9%。「あまりない」が67%、「全くない」が24%だった。

 これは、03~04年に同じ調査をした米国、英国、ドイツなど10カ国の中で最低レベルだった。

 また05年に、野村総合研究所が実施した、上場企業の20~30代の正社員を対象にした調査では、「現在の仕事に対して無気力感を感じる」人が75.0%にも上る。

 上場企業の正社員という立場は処遇もよく、恵まれていると判断できるにもかかわらず、そういう立場の若者が気力を持てないのだ。

 また、3年前と比較して「あまり成長した実感がない」人は42.5%にも達し、「実感がある」と答えた人の38.7%を上回った。

 日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所が、05年に発表した「労働組合のメンタルヘルスの取り組み」に関する調査では、68.7%の組合が「心の病」は増加傾向にあると回答している。

 その原因として最も多いのが「職場の人間関係」で30.4%、2番目が「仕事の問題」で18.6%、「職場環境の問題」が12.7%と続く。

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