2010年10月号掲載
プラットフォーム戦略 21世紀の競争を支配する「場をつくる」技術
著者紹介
概要
「プラットフォーム戦略」とは、グーグル、アマゾン、楽天などが採用している戦略で、様々なグループを集めて「場」(プラットフォーム)を作ることによって、新たな付加価値を創造する、というもの。本書は、楽天市場やiモードをはじめ、様々な事例を引きつつ、この戦略の概要、および“勝てるプラットフォーム”を作るためのポイントを説明する。
要約
プラットフォーム戦略とは?
「グリーがプラットフォーム戦略を発表」「アマゾン、アップル、グーグルが新しい電子書籍のプラットフォームを発表」など、最近「プラットフォーム」という言葉を頻繁に目にする。
このプラットフォーム戦略は、今、最も注目されている世界最先端の経営戦略である。
では、それは一体どのようなものなのか。
例えば、インターネット・ショッピングモールの楽天市場では、多くの小売店がモノを売っている。だが、楽天自身はモノを売るわけではない。
すなわち、多くの店を楽天市場という「場」に集め、そこに多くの顧客を呼んでいるわけだ。
こういう場が、プラットフォームである。
「お見合いクラブ」もプラットフォームである。出会いを求める男女に魅力的な場を提供し、双方からの参加を募ることで、このビジネスは成立している。男性に年1万円程度の会費と、参加ごとに参加料を請求し、女性は無料といった具合だ。
つまり、男性・女性という互いに引き合う2つのグループをマッチングさせる場を提供し、かつ、場において双方が直接・間接的にやりとりするのを促すというビジネスモデルなのである。
このように、複数のグループをつなぐことで付加価値を創造することが、プラットフォーム戦略の本質といえる。
従って、プラットフォーム・ビジネスを定義すれば、次のようになる。
「複数のグループのニーズを仲介することによって、グループ間の相互作用を喚起し、その市場経済圏を作る産業基盤型のビジネスモデル」