2011年6月号掲載
日本人の誇り
- 著者
- 出版社
- 発行日2011年4月20日
- 定価858円
- ページ数249ページ
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著者紹介
概要
世界的ベストセラー『文明の衝突』の中で、世界7大文明の1つに挙げられた日本文明。「個より公、金より徳、競争より和」を重んじるわが国の文明は、戦後、「国民総中流」という他に類のない社会を実現させた。だが近年、社会は混迷を深めている。誇りと自信。それを取り戻すために、今なすべきことは何か。日本再生に向け、『国家の品格』の著者が提言を行う。
要約
政治もモラルもなぜ崩壊したか
日本は今、危機に立たされている。十数年前から、何もかもがうまくいかなくなっている。
経済に目を向けると、バブル崩壊後、様々な改革を重ねてきたが、どれもうまくいかなかった。
政治に目を向けても、政治とカネの問題がいまだはびこっており、外交では腰が抜けたままだ。
日本を正しい道に戻すには良い政治家が必要となるが、小泉チルドレンに続いて小沢チルドレンと、選挙の半年前までは国政など考えたこともないような素人が登場し、質は低下するばかりだ。
モラルの低下も深刻である。政治家や官僚だけでなく、子供たちのモラルも崩れ、学級崩壊は日本中の小中学校で広く見られる。
小さな島国でありながら、古くより偉大な文学や芸術を大量に生み、明治以降には驚異の成長を成し遂げた、優秀な日本民族は一体どうなってしまったのか。祖国再生のカギはどこにあるのか。
素晴らしき日本文明
一般に多くの困難を解決しようとする時、1つ1つ着実に片づけていこうと誰でもまず考えるが、大抵の場合、労力がかかるばかりで成功しない。
多くの困難が噴出しているというのは、それら全てを貫く何か1つの「基軸」が、時代や状況にそぐわなくなっているということを意味する。
従って、その基軸を変えることで諸困難を一気に解決するのが、最も効果的であるばかりか容易でもある。大事なことは、部分を直すより、全体を一気に直す方が易しいということだ。
では、日本は戦後、どんな基軸で動いてきたのか。それを考えるには、日本人とはどんな民族だったのか、というところから始めねばならない。
幸いにして、幕末~明治に来日した欧米人らが様々な見聞録を残している。彼らはアジアの各地に寄りながら日本までやって来て、「日本人はなぜこうも他のアジア人と違うのか」と驚愕した。