2011年8月号掲載
課長の時間術
著者紹介
概要
かつてリクルート社で管理職を務めた人物による時間術の書。4つの情報誌の編集長を兼務するなど、多忙な日々を送る中で会得した、“時間を自らひねり出す”ための60のコツを明かす。「スケジュールは15分単位で刻む」「やることを決める前に、やらないことを決める」…。紹介されるその時間術は、多忙な組織のリーダーにとって、大いに参考になるだろう。
要約
時間は自らひねり出せ!
私が課長になったのは、リクルートに在籍していた28歳の時である。
最初は人事課長で、人事部の中の2つの課を兼務していた。転職情報誌「週刊ビーイング」の副編集長(課長職)に異動後は、新卒者向け「就職ジャーナル」などの編集部も兼務していた。
課単位の会議の数も、兼務だと単純に倍になる。その上、部下の人数も多くなるわけだから、個々のマネジメントにも時間が取られる。
私が「課長の時間術」を身につけたのは、「時間は、自らひねり出すしかない」という立場に否応なく身を置いたからに他ならない。そのおかげで、本当に時間をうまく使う方法が身についた。
重要な2割の仕事を見極め、集中するのが課長の役割
「パレートの法則」というものがある。
例えば、「売上の8割は、全顧客の上位2割が生み出している」といった事象を説明する考え方で、それゆえに、「80:20の法則」とも呼ばれる。
この考えに基づくと、「重要度の高い上位2割の仕事が、8割の成果を生み出す」といえる。
実は、ここに課長の仕事の本質がある。
課長の役割は、「いかに重要度の高い2割の仕事を見極め、そこに集中する(メンバーを集中させる)か」だと言い切ってもいい。
「課長の時間術」においては、この仕事の優先順位づけがポイントとなる。
集中すべき2割の仕事は「重要だが緊急でない」部分
仕事は、「重要度」と「緊急度」の2軸で見ると、次の4つに分けられる。