2011年10月号掲載
起業革命 「スタートアップ」のプロが伝授する事業創出のノウハウ
- 著者
- 出版社
- 発行日2011年8月11日
- 定価1,650円
- ページ数197ページ
※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。
※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。
著者紹介
概要
モノ・サービスが溢れ、それらがすぐ陳腐化する今日、新たなものを次々に生み出さない限り、企業が収益を上げるのは難しい。こうしたビジネス環境の中、新規事業を創出する上で有効なのが、本書で紹介する「マーケットアウト」という発想だ。顧客をビジネスの起点に置き、顧客の視点からモノやサービスを生み出していく、この発想のポイントを説く。
要約
マーケットアウトという発想
今、日本の高度経済成長を支えてきた多くの企業が業績低迷に悩んでいる。
それは、ビジネスを取り巻く環境が大きく変わったことに起因している。
戦後、日本経済を牽引してきたのは製造業だった。当時はモノ不足が深刻で、「大量に作って売る」というビジネスモデルが市場を席捲した。
だが、昨今の日本はモノがあり余り、もはや「大量に作って売る」というビジネスモデルでは需要を増やすのは難しい。そればかりか情報化社会の波を受け、需要の主役はモノから情報や知識、サービスといったものへと移行している。
では、企業が新しい需要を創造し、日本経済に再び活気を呼び戻すためには何が必要なのか?
そのカギは、事業コンセプトとビジネスモデルにある。そして、それらを創造する上で欠かせないのが、「マーケットアウト」という理念である。
マーケットアウトとは?
マーケットアウトとは、マーケティング用語のプロダクトアウトの逆を意味する造語である。
企業がモノを作り、その後それをどのマーケットに投入するかを決めることをプロダクトアウトというが、その逆の発想であるマーケットアウトはビジネスの起点をマーケット(顧客)に求める。
このマーケット起点で構築したビジネスを、我々はマーケットアウトビジネスと定義している。
マーケットアウトの発想の下では、優先されるのはマーケットそのものである。企業はマーケットが本当に求めていることに基づいて、商品やサービスの開発に着手する。
事業創出の起点も事業の流れそのものも、プロダクトアウトビジネスの正反対の位置から出発するのが、マーケットアウトビジネスである。