2012年6月号掲載
ブレーンステアリング 10億ドルのアイデアを生み出す新発想法
Original Title :BRAINSTEERING:A BETTER APPROACH TO BREAKTHROUGH IDEAS
- 著者
- 出版社
- 発行日2012年4月11日
- 定価1,980円
- ページ数325ページ
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著者紹介
概要
「ブレーンステアリング」とは、「正しい質問」を導き出し、「正しいプロセス」を踏むことで、思考をより生産的な方向に導く手法のこと。マッキンゼー・アンド・カンパニーが数多くのクライアント向けプロジェクトで実践し、成果を収めた手法だ。人が問題解決に臨む際の心理を基に開発された、この画期的な手法の原則と実践法を、各種事例を挙げつつ解説する。
要約
ブレーンステアリングとは
人は誰でも、いいアイデアを必要としている。
社長は事業のアイデアを求め、製品企画の責任者は製品の革新的なアイデアを探している。
では、新しい、よりよいアイデアを毎日絶え間なく思いつくには、どうしたらいいのか?
実を言えば、誰でもクリエイティブになれる。よりよいアイデアをより多く、いつでも生み出せる可能性を劇的に高めてくれる手法があるのだ。
この手法を、「ブレーンステアリング」と呼ぶ。
ブレーンステアリングは、我々著者の1人が世界的な大手コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーで主管した、ある大規模調査プロジェクトに端を発する。
このプロジェクトで発見した原則と実践法は、その後マッキンゼーの200件以上のクライアント向けプロジェクトで利用され、成果を収めた。
ブレーンステアリングは、ほぼどんな状況でも効果を発揮する。創造的エネルギーの全てを、より生産的な方向に誘導(ステアリング)し、創造的な問題解決場面における人間の思考と行動のパターンを、よりうまく活用する手法だからだ。
「正しい質問」をする
ブレーンステアリングの基本原則。それは、「正しい質問をすれば、やがて答えといいアイデアが出てくる」というものだ。たった1つの「正しい質問」が、大きなパワーを持つ。
1981年、テキサス・インスツルメンツの3人の幹部が、ヒューストンのレストランでランチをともにした。やがて、3人の議論はある1つの疑問に集中する。それは、「飛行機の座席上の荷物入れに納まるIBM互換機を作るにはどうしたらいいか?」という問題だった。
当時、IBMのパソコンは高さが54cmあり、重かった。IBMは他メーカーにソースコードのコピーを許可したため、同じように重くて背の高い多種多様なマシンが市場にあふれていた。