2012年9月号掲載
負けない力 一流の仕事ができる人に共通する武器
著者紹介
概要
著者の新将命氏は、ジョンソン・エンド・ジョンソンをはじめ、複数の外資系企業で社長を務めた人物。この“伝説の外資トップ”が、グローバル時代に不可欠な「負けない力」、そしてそれを得るために心がけるべきことについて語る。「明確な理念を持つ」「自己を変革する力を持つ」…。披露されるアドバイスは、自分を磨き、競争を勝ち抜く上で大いに参考になる。
要約
グローバル時代に必要な力
私はこれまで40数年にわたり、シェル石油(当時)、日本コカ・コーラなどの外資系企業で働き、ビジネス人生後半の20年ほどは、3社の社長と1社の副社長を務めた。
人生の後半がそれなりに充実したものになったのは、短所があり、挫折や失敗をしても、それでも負けない力を強く持っていたからである。
この「負けない力」を得る上で大切なこととして、次の5つがある。
①理念がある人は負けない
まず、「明確な理念を持つ」ことが大切である。
理念とは文字通り「理」想を「念」じること。「ビジョン(夢)」「使命感」「価値観」の総称である。
後にリーダーとして頭角を現す人は、将来はこうなりたいという「ビジョン」、社会の役に立つという「使命感」、自分はこのことを大切にして働くという「価値観」をしっかり持っている。
逆にいえば、これらがあるからこそ、良い仕事や大きな仕事ができ、人を動かすことができる。辛い時、窮地に陥った時にも、その理念と目標に支えられ、負けることなく頑張れるのだ。
また、1回しかない人生の中で、「自分は何のために生きているのか」という目的と、「何を達成するのか」という目標があるのとないのとでは、人生の輝きが違ってくる。
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- ・人生の理念と目的は何か?
- ・何を目標として生きているのか?
- ・これから何をしたいのか?
- ・どういう自分づくりをしたいのか?
これらの質問に即答できるかどうかが、その人が目的と目標を持って生きている人か、それとも、なりゆき任せで生きている人かを判定するリトマス試験紙である。
目的を持って生きている人は、まず、結果についての責任感が強い。優先順位の立て方と実行力も違う。その結果として、持っている付加価値が違ってくる。
加えて、何かを成し遂げるにあたって一番重要な情熱も持っている。彼らは、他人に何も言われなくても、自分で目標を設定してダイナミックにチャレンジしていく“自燃型”の人でもある。