2013年3月号掲載
BQ 次代を生き抜く新しい能力
著者紹介
概要
現代の厳しいビジネス環境においては、頭や人柄の良さだけでは通用しない。このように指摘するクレディセゾン社長・林野宏氏が、今日、ビジネスパーソンに求められる能力、「BQ=ビジネス感度」を提示。IQ(知性)、EQ(理性・人間性)、SQ(感性)の3つを掛け合わせた、この新しい指標について解説するとともに、いかにしてBQを磨けばよいかを説く。
要約
「BQ」でビジネスが変わる
これまで日本のサラリーマンは年功序列、終身雇用といった日本型雇用によって守られてきた。しかし、人口減によって市場が縮小すると、こうした仕組みを維持していくことは難しい。
特に厳しいのは、ホワイトカラーだ。その仕事の多くは、ITが取って代わった。今やホワイトカラーの存在は企業にとってお荷物といっていい。
実際、一足先にIT化が進んだ米国では、ホワイトカラーの失業が社会問題化している。米国の失業率が一向に低下しないのはそれが理由だ。
今後の成功のカギは「BQ」
では、この熾烈な競争の中で勝ち残るのは、どのようなビジネスパーソンか。カギを握るのは、「BQ(Business Quotient)=ビジネス感度」だ。
BQは、知性を示すIQ(Intelligence Quotient)、理性や人間性を示すEQ(Emotional Intelligence Quotient)、そして感性を示すSQ(Sensibility Intelligence Quotient)を掛け合わせたオリジナル指標で、次の式で示すことができる。
BQ=IQ×EQ×SQ
これまで3つの中で重視されてきたのは、IQ(知性)とEQ(理性・人間性)だった。
工業社会や知識・情報社会では、高品質で便利な製品やサービスが求められた。それらを生み出すには、アタマの良さや、チームで協力して働くための人間性が必要だったからである。
しかし、消費者が求めるものは変わった。今、社会が求めているのは、性能が優れたものや便利なものではなく、感性に訴えかけてくるものだ。
ところが、知性や人間性頼りの人は、いまだに性能を追いかけている。それがうまくいかないことは、新機能を追加した商品を開発して失敗を続けている日本の電機メーカーを見れば明らかだ。
これからのビジネスで成功するのは、感性を中心としたBQの高い人である。