2013年7月号掲載
行動格差の時代 心の勢いで壁を突破する8つの力
著者紹介
概要
インターネットが普及した今日、知識や情報では差がつかず、「行動」することで差がつく。にもかかわらず、日本人は積極的に動かない、と著者たちは指摘する。確かに、行動にはリスクが伴う。挑戦に挫折は付き物だ。だが、挫折こそが人を鍛え、マイナスの体験をするから成功できるとし、果敢に行動する時に頼りになる各種の「力」を、体験談を交えつつ紹介する。
要約
行動し、挫折するから強くなる!
2011年の名目GDPは中国に抜かれ、世界3位に後退。日本経済を牽引してきた大手電機メーカーは、軒並み巨額の赤字に転落している。
その間にのし上がってきた韓国や台湾、そして中国勢。彼らのこの10年間の勢いは日本とは比べようもない。
日本企業に勢いが乏しいのは、技術や戦略、知識の問題ではない。「行動」で劣っているからだ。
今、アフリカなど未開拓の市場を行き来するのは中国人や韓国人だ。そこに日本人の影はない。
今から30年前、ビジネスは、経営における合理的で、先端的な知識を持っていることが勝負を決する「知識格差」の時代だった。その次は、どれだけ有効な情報をタイムリーに手に入れるかという「情報格差」が企業の命運を握った。そして情報がコモディティ化した今は「行動格差」の時代。素早い意思決定と実行が、競争力の源泉だ。
とはいえ、行動したからといって、そう簡単には成功は手に入らない。行動すれば、程度の差こそあれ、必ず挫折を味わう。
しかし、この挫折こそが人間を鍛え、強くする。挫折への耐性を高めないと、成功は手に入らない。
挫折を乗り越えるためには、例えば、次のような「力」を身に付けることが大切である。
捨てる力
「選択と集中」という言葉をよく耳にするようになったが、何かを選択するとは何かを捨てることに他ならない。
限られた経営資源を合理的に活かすには、「あれもこれも」という総花的な経営は得策ではない。何かを捨てることで、捨てないものが明確になり、経営資源を集中投下することで強い事業が育つ。
日常生活でも、「捨てる力」は大切だと思う。