2013年10月号掲載

日本人の原点がわかる「国体」の授業

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著者紹介

概要

「国体」は重要な語でありながら、戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が教科書での使用を禁じたこともあり、死語と化した。使われたとしても本来の意味とは違って、軍国主義とセットであるかのように不当な扱いを受けている。こう嘆く著者による、国体の講義である。日本人のアイデンティティの根本をなす、“和の精神”に根差した国体について、わかりやすく解説。

要約

日本の「国体」を知る

 「国体」。今や、この言葉は死語になりつつあり、使われたとしても本来の意味とは違って、右翼や軍国主義とセットであるかのように、不当な扱いを受けている。

 しかし、国体とは、日本人のアイデンティティの根本をなすものであり、それを変えてしまったら、もうその国ではなくなってしまうものである。

アメリカは「自由」、フランスは「平等」の国

 例えば、「アメリカはどんな国か」というと、答えは決まっている。「自由の国」である。もし自由の国でなくなったら、アメリカはアメリカではなくなってしまう。

 仮に、オバマ大統領がテロに倒れたとしよう。その場合はすみやかに副大統領が大統領に就任するから、アメリカという国はビクともしない。

 また、ミサイルでホワイトハウスなどが破壊され、上下両院議員のほとんどが死んだとする。

 ホワイトハウスはアメリカの象徴だから、とても大切なものだ。それでも、破壊されたからといって、アメリカがなくなるわけではない。新しく建て直せばよい。上下両院も、選挙をして代わりの議員が決まれば、再び正常に機能し始める。

 では、何を取り除いたら、今のアメリカではなくなるのか。それは「自由」を取り除いた時だ。

 英国の植民地だったアメリカは独立宣言で、宗教や身分、出身国などによって左右されない、真に自由の国をつくることを宣言。それが建国の理想になった。自由こそが、アメリカ人のアイデンティティの根本なのである。

 18世紀、王の圧政に苦しむ人々がフランス革命を起こした。目的は、平等な社会をつくること。

 身分制の封建社会を一掃して共和制国家を建て、生まれながらにして平等な国民の中からリーダーを選ぶようにした。それがフランスの大統領だ。

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