2014年1月号掲載
法人営業のズバリ・ソリューション 2つの空白マーケットで業績を上げる集客・営業法
著者紹介
概要
法人向けのビジネスで新規開拓に成功しないのは、競争相手の多い法人に対して、従来型の人的営業をかけているからだ、と本書は指摘する。そして、競争の少ない「2つの空白マーケット」を狙えとアドバイス。その空白マーケットを攻略する手法として、人脈なし、価格競争なしで顧客が獲得できる「B2B(法人向け)ダイレクトマーケティング」について詳述する。
要約
新規開拓を成功させるには?
現在のような市場縮小期になると、既存顧客だけでは売上を維持できない。よって、どんな業界であれ、新規開拓に取り組まざるを得ない。
では、法人営業の場合、どんなやり方で新規開拓を進めれば、業績を伸ばすことができるのか。
自社の体質に合わない新規開拓は失敗する
まず、押さえておくべきは、自社のビジネス体質に合った新規開拓しか成功しない、ということ。
ビジネス体質とは、自社の売上がどんな顧客からもたらされているかということだ。
例えば、中堅の機械工具商のA社は、主にルートセールスで機械部品を工場に納めている。リーマンショックを機に赤字に転落したため、社長は号令をかけた。「新規開拓に取り組め!」。
社長の檄もあって新規開拓は進んだ。だが、売上・利益が上がらない。そこで新規開拓先をチェックすると、零細鉄工所ばかり。毎月の購入額は10万円程度で、費用対効果が見合わない。
社長は営業部長を叱った。「大きな会社を攻めろ!」「でも社長、大企業は入り口に守衛がいますから、中に入れてもらえないんです」「それなら電話でアポを取って訪問したらいいじゃないか!」
だが、ルートセールスを行ってきた営業マンに、電話でアポを取って新規開拓しろと言っても無理な話。大企業の新規開拓は全く進まなかった。
パレート型とロングテール型
このように、新規開拓は自社のビジネス体質に合ったものでなければ成功しない。
そして、法人営業のビジネス体質は、大きく「パレート型」と「ロングテール型」に分かれる。
パレート型とは、「パレートの法則」が当てはまる会社を指す。つまり、「売上の8割がお客様全体の2割によってもたらされている」会社だ。