2016年2月号掲載
シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは
Original Title :TRIGGERS
著者紹介
概要
“アメリカ伝説のマーケッター”、ジョセフ・シュガーマン。彼は世界で2000万本ものサングラスを販売した他、数多くのセールスを成功に導いてきた。本書では、氏が発見し活用してきた、お客がモノを買ってしまう「心理的トリガー」について自身の実例を交えて解説。セールスでより多くの成功を収める方法を伝授する。
要約
最大の武器「心理的トリガー」
お客の心に働きかけ、心を動かし、ついには購入を決めさせてしまうもの。これを、「心理的トリガー(引き金)」 という。
だが、その存在は、やり手のセールスパーソンでさえ、ほとんど知らない。だからこそ、心理的トリガーについて知ることは、受注争奪戦の真っ只中にいる人にとって強力な武器になるはずだ。
多くの人々に役立つ、心理的トリガー。それは、例えば、次のようなものだ。
「ついで買い」を誘う
心理的トリガーの1つに、「一貫性の原理」というものがある。いったん買うと決めたお客は、「ついで買い」をするなど、最初の購買行動と一致した行動を取り続けようとするのだ。
例えば、よく自動車ディーラーが使う手がある。セールスマンは本体やオプションの総額を計算し、上司の承認を得て発注書にお客のサインをもらう。そして、自動車の引き渡し準備のために席を立ちながら、お客に問い掛けるのだ。
「えーと、足回りのコーティングはしときますよね?」。お客は反射的にうなずき、その費用が請求書に書き加えられる。
「それと、お車が汚れないようにフロアマットもお付けした方がいいですかね?」。いったん買うと決めると、人はその決定に沿った行動を取ろうとする。従って、お客はこれまたうなずくのだ。
ここで大事なポイントの1つとして覚えておきたいのは、「最初は必ず簡単なものを買わせる」ということだ。一度買わせることができた後は、他のものを勧め、売上を上乗せするのは簡単だ。
臭いもののフタは開けろ
「欠点の告知」も、心理的トリガーの1つだ。
あなたはお客に商品を売り込もうとする。しかし、心の奥底では欠陥品だと思っている。商品の見た目は最悪。商品名もダサい。
私は昔、まさにそんな困難に直面したことがある。しかし、私は商品の欠点を隠すようなことはしなかった。むしろ真っ先にお客に伝えた。