2014年2月号掲載
日本人が海外で最高の仕事をする方法 スキルよりも大切なもの
著者紹介
概要
著者はソニーの社員として、20年にわたり9カ国に赴任した経験を持つ。インドでは映画を通じ現地の人と接近、関係がギクシャクする韓国ではブログで自分をさらす…。本書では、試行錯誤の中で掴んだ「現地に溶け込み、楽しみながら成功する方法」を伝授する。「スキルよりも大切なもの」。この副題通り、最高の仕事をするカギは技術にあらず、“心の姿勢”だ!
要約
現地に飛び込む
インド、トルコ、ルーマニア、ハンガリー、オランダ、ドイツ、イギリス、ベトナム、韓国。私は20年にわたり9カ国に赴任して仕事をした。
それはまさに試行錯誤、悪戦苦闘の連続だった。ある国で学んだことが、別の国では役立たない。
そうした中を手探りで進みつつ見いだしてきた、どの国にも共通する「海外で現地に溶け込み、楽しみながら成功する方法」をお伝えしたい。
インド映画に活路を見いだす
東芝からソニーへと転職した私は、マーケティング戦略などの仕事をした後、海外営業部門に配属となり、インドへ赴任することとなった。
海外の現地法人に赴任した時、直面しがちな問題が、現地スタッフとの関係づくりである。
赴任する人は不安と緊張を感じるものだが、それは現地スタッフも同じ。どんな人が来るのか。何を求められるのか。そんな不安を抱えている。
加えて、次のような現地側の「偏見」もある。
「どうせ日本人は自分たちとは感覚が違うから、わかってくれない」「日本のやり方を押し付けてくるのだろう」「赴任者はせいぜい2、3年で異動する。本社の方ばかり向いているに違いない」
こうした偏見に沿うような行動をとると、「やっぱりそうか」となり、関係づくりは難しくなる。
こうした溝を乗り越えるには、何が必要なのか。
私が考えたのは、もっと現地に溶け込むようにしよう、ということだった。そのためには、インドのことをもっと知るべきだと思った。