2014年6月号掲載
日本企業の進化論 グローバルで闘い抜くための“5つの進化”
- 著者
- 出版社
- 発行日2014年3月18日
- 定価2,750円
- ページ数444ページ
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著者紹介
概要
副題は「グローバルで闘い抜くための“5つの進化”」。グローバル化、デジタル化、あるいは少子高齢化など、市場環境が大きく変わる中、日本企業が進化し、生き残るためには何が必要なのか。海外戦略、ビジネスモデル、生態系(エコシステム)、価値設計、オペレーション。本書は、この5つの領域における進化の必要性を説き、具体策を提示する。
要約
海外戦略の進化
本書のテーマは、激動の時代を日本企業がどう進化し生き残るのかである。「日本企業の進化」を論じないといけない背景としては、デジタル化、グローバル化など、事業環境の激変、それに伴う日本企業の相対的なパフォーマンス低下がある。
では、日本企業はどう進化すべきか。その方向性は5つの領域 ―― 海外戦略、ビジネスモデル、生態系、価値設計、オペレーションに分けられる。
* * *
日本企業の進化の方向性の1つ目のポイントは「海外戦略の進化」だ。その1つに、「さらに高まるASEANの重要性」がある。
最近、日本企業の東南アジア進出を伝えるニュースが多い。それには、大きく2つの理由がある。
1つ目は、6億人規模の人口と、10~25%のGDP成長率に裏付けられた、経済的視点での将来市場としての期待感である。
ASEANの国々を個々に中国やインドと比較すると、規模の点で物足りない。だが、ASEANの10カ国の人口の合計は6億人。経済成長率もインドや中国と伍する。これは十分に魅力的ではないか。
2つ目は、地政的視点でのリスクヘッジや競争上の重要性である。
中国は重要地域の1つだが、世界の企業が覇権を狙う、熾烈な競争に晒される厳しい地域だ。さらに、チャイナリスクという政治情勢に伴うリスクも、日本企業は背負わなければならない。
インドもまた、中国同様、世界の競合企業がひしめき合い、熾烈な競争が続くことは間違いない。
この中国とインドの間に、今後の急成長が見込めるミャンマーなどのASEAN諸国がある。