2015年2月号掲載

自爆する若者たち 人口学が警告する驚愕の未来

Original Title :SOHNE UND WELTMACHT:Terror im Aufstieg und Fall der Nationen

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著者紹介

概要

世界各地で頻発するテロの原因は、果たして民族や宗教、貧困のせいなのか? 著者の答えは、“否”。数が多く、居場所のない「ユース・バルジ」(15~25歳未満の青年層)こそが、最大の原因だという。本書では、これを基軸に、暴動と人口の「隠れた法則」をあぶり出す。飢えよりも若者のポスト不足が恐い等々、従来とは一味違う、海外ニュースの見方が示される。

要約

西洋が世界を制覇した理由

 もし仮に、日本の人口増加率が、パレスチナ暫定自治政府が統治する「ガザ地区」並みであったなら、日本は今頃どうなっていただろう。

 1950年から2008年までの間に、ガザ地区は24万から150万に増えた。この間の増加率を、1950年当時の日本の人口8300万に当てはめると、日本の現在の総人口は1億2700万ではなく、5億2000万。平均年齢は、44歳でなく15歳だ。

 15歳未満の少年男子の人口は900万ではなく1億3000万で、彼らは2023年までに、いわゆる「戦闘年齢」と称される15~29歳に達する。

 この世代の人口が急増した場合、深刻な問題となるのは、彼らが社会に出た時に職にありつけないことだ。

 職にあぶれた者に残された道は、次の6つだ。

 ①国外への移住、②犯罪に走る、③クーデタを起こす、④内戦または革命を起こす、⑤集団殺害や追放を加え、少数派のポストを奪う、⑥越境戦争にまで及んで、流血の植民を経てポストを得る。

 欧州の若者たちは、この6つの道すべてを、450年にわたり同時並行で進んだ。

 1348年の西洋の人口は8000万人だった。だが、大ペスト禍(黒死病)で3000万人が生命を落とし、1450年の人口は約5000万となった。

 その結果、何が起こったか。

 1500年当時、戦闘能力を有する男の比率を世界規模で見た時、欧州出身者は1000人のうち100人強だった。それが1914年には、北米とオーストラリア・ニュージーランドまで含めると、白人の割合が同350人となる。

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