2015年7月号掲載
中国人とアメリカ人 自己主張のビジネス術
- 著者
- 出版社
- 発行日2015年5月20日
- 定価858円
- ページ数238ページ
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著者紹介
概要
世界1位と2位の経済大国、米国と中国。今や両国との関係を抜きに、国際舞台で成功するのは難しい。本書では、米中で長く活躍した商社マンが、自己中心的な彼らと伍するための知識を伝授。「集団より『個』を重んじる」「右手で握手をしながら、左手で相手を殴る」等々、謙虚でお人好しな日本人がグローバル人材になるための、米中の“ホント”の数々が満載!
要約
よく似ている中国人とアメリカ人
米中両大国の狭間にある日本は、米中に気を配りながら生きていく必要がある。よって、両国とその国民性についてよく知ることが欠かせない。
アメリカ人と中国人は、意外に似ている点が多い。少なくとも、中国人は我々日本人よりもアメリカ人に似ている ―― 。
中華思想とアメリカ例外主義 ―― 自己中心主義
アメリカ人は自由と平等、人権尊重、民主主義というゆるぎない正義感にあふれ、アメリカのやり方がグローバル・スタンダードであるべきだと信じている。
この信念は「アメリカだけは違うのだ」という、いわゆる「アメリカ例外主義」につながる。
アメリカが「自由と民主」という理念で纏まっているのに対し、中国は漠然とした「中華思想」が求心力になっている。中華思想は、端的に言えば、自民族中心思想であり、系統だった普遍的な理念がある訳ではない。
共通していることは、アメリカ人も中国人も自らを中心に考え、世界は自分たちを中心に廻っていくべきだ、と考えている点である。
本音と建前 ―― 短期的利害と大局的主張
アメリカ人も中国人も自分中心である以上、全ての物事について現実主義者である。
人間は感情の動物といわれるように、まず反応は感情に現れるが、日本人と違い、とっさに自分の実利と損得がどうなのかをチェックする。この点、中国人の方がアメリカ人よりも冷徹だ。
中国人は何事にも100%エキサイトすることはない。日本人は概して理想主義的で、すぐ一生懸命になってしまう。感情が優先し、現実に柔軟に対応できないし、実利計算を忘れることも多い。
彼らは現実主義者であるから、彼方にある理想ではなく、目先の目的と利害に力点を置く。しかし、国レベルでは大局的な展望を持っている。ただ中国の場合は、往々にしてその場その場で主義主張を変えてくるし、緻密な論理に欠ける。
両国に共通している点は、まずもっともらしい建前やスローガンを出してくることだ。