中国の歴史を見ると、日本や西欧の様に領主が領民の面倒を見た封建時代は無かった。古代から現代まで、天下をとったものが自分の思うままに政治を行う中央集権的専制政治の繰り返しだったとみていい。
解説
中国は、異民族に支配された時代があるなど、戦乱に明け暮れた過酷な歴史が永く続いた。そのため、自分以外は信用しない、いわば不信がベースの社会を作り上げてしまった。
誰も面倒を見てくれないなら、自分で生き抜いていかねばならない。従って頭脳が鍛えられる。
中国人は一般に頭が良く、複雑な知恵を持ち、冷静である。現実を忘れず、日本人のように100%感情に走ることはない。20%は常に冷静な自分を保つ。また、物事はどう展開していくかわからないから、方向転換の余地を残しておく。
彼らが冷静でいられるのは、自分を客観視できるからだ。中国人には、「2人の自分」が居るように見える。1人は舞台の上で演技をする自分、1人はそれを観客席から眺めている自分だ。
他の国民に比べれば、中国人は芝居がうまいし好きでもある。議論する際も、怒っているように見えるが、冷静な自分を見ながら、ゲーム感覚でやっている。
そういう理解があれば、一見横柄に見える態度を取られたとしても、腹は立たない。