2016年2月号掲載
BCGの特訓 成長し続ける人材を生む徒弟制
著者紹介
概要
外資系コンサルティング会社、ボストン コンサルティング グループ(BCG)。同社に毎年入社する新人に期待される成長のスピードは極めて速い。“2年でベテラン”になることを求められる。それゆえ、「多様な人材を超高速で戦力化する技術」が磨き上げられてきた。それはいかなるものか? BCG秘伝の人材育成法を初公開する。
要約
成長のための2つの方程式
ボストン コンサルティング グループ(BCG)には、毎年多くの新しい仲間が入社してくる。
彼らに期待される成長スピードはきわめて速い。入社後1年で中堅、2年でベテランになることが求められる。結果、「多様な人材を“超高速”で戦力化する技術」が徹底的に磨かれてきた。
この人材育成の考え方と実践方法を紹介しよう。
まず、BCGの人材育成のベースには、次の2つの考え方(成長の方程式)がある。
マインドセット(基本姿勢)+スキル
仕事をする上でスキルは必要ではある。だが、個別のスキルを揃えること「だけ」を追求しても、成長し続けられる人にはなれない。継続的な成長を実現させるには、個別スキルの習得以外に、スキルの「使い方」を身につける必要がある。
スキルの使い方を磨くのは簡単ではない。なぜなら、どんなスキルをどのような場面でどう使うかは、実践を重ね、磨いていくしかないからだ。
そこで重要になるのが、「マインドセット(基本姿勢)」だ。これができていないと、個別のスキルを磨いてもその使い方を磨けず、成長しない。
成長するためには、次の3つのマインドセットが必要である。
①他者への貢献に対する強い想い
逆説的ではあるが、「成長したい」というのが主たる動機で仕事をする人は、あまり成長しない。
彼らの「成長したい」という思いの背景には、褒められたい、給料を上げたい、などの理由があり、主体はあくまでも「自分」だ。
しかし、成長は“手段”にすぎない。成長が目的になると、壁に突き当たった時に乗り越える力が出ない。自分の成長は自分だけのものなので、自分があきらめるとその頑張りが続かないからだ。