2016年10月号掲載

組織サバイバルの教科書 韓非子

組織サバイバルの教科書 韓非子 ネット書店で購入
閉じる

ネット書店へのリンクにはアフィリエイトプログラムを利用しています。

※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。

※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。

著者紹介

概要

中国の春秋戦国時代の書、『韓非子』。全編を性悪説の哲学が貫き、きれいごとだけではない、卓越した権力論が説かれる。それゆえ「経営者が愛読しているにもかかわらず、それがほとんど口外されない名著」と評される。本書では、同時代の孔子の『論語』と対比しつつ、現代にも通じる『韓非子』の人間観、組織観を解説する。

要約

『論語』と『韓非子』

 古今東西を問わず、ほとんどの人は何らかの組織に属しながら、生計を立てたり、生き甲斐を見つけてきた。このため、「うまく機能する組織とは、どのようなものか」「組織で活躍できるのは、どのような人なのか」という問題が、どの地域、どの時代でもクローズアップされてきた。

 中国の古代に、この難問に対して正反対の立場から解答を出そうとした2つの書籍がある。それは『論語』と『韓非子』だ。

 この両者、考え方が対極に分かれる。

 例えば、「人のあり方」については、次の通り。

 【論語】 ―― 人間、志が重要だ

 どんな大軍でも、その大将を虜にすることができる。しかし、いかにつまらない人間でも、その志を奪うことはできない。

 【韓非子】 ―― しょせん人間は利益に目がくらむ

 うなぎは蛇に似ているし、蚕はいも虫にそっくりだ。人は蛇を見れば飛び上がって驚き、いも虫を見ればぞっとして毛を逆立たせる。それなのに、漁師はうなぎを素手でつかみ、女性は蚕を平気でつまみあげる。利のあるところでは、みなとんでもない勇者となる。

 【論語】 ―― 上下の信用

 人間はしょせん死を免れない。それにひきかえ、国民の信頼が失われたのでは、政治そのものが成り立たなくなる。

この本の要約を読んだ方は、
他にこんな本にも興味を持たれています。

韓非子 全現代語訳

本田 済(訳) 講談社(講談社学術文庫)

いい茶坊主 悪い茶坊主 強い組織とは何か

立石 優 祥伝社(祥伝社新書)

「情」の管理・「知」の管理 組織を率いる二大原則

童門冬二 PHP研究所(PHP文庫)

ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ] 幸福学

ハーバード・ビジネス・レビュー編集部(編) ダイヤモンド社