2016年12月号掲載
オープン・オーガニゼーション 情熱に火をつけて成果を上げる新たな組織経営
Original Title :The Open Organization:Igniting Passion and Performance
- 著者
- 出版社
- 発行日2016年9月20日
- 定価1,980円
- ページ数266ページ
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著者紹介
概要
「オープン・オーガニゼーション」とは、組織の内外にあるコミュニティと協力関係を結ぶ“開かれた組織”のこと。外部の能力も活用できることから、環境の急激な変化にも素早い対応が可能だ。こうした真のコラボレーションをもたらす組織を体現し、成功したソフトウェア企業のCEOが、その作り方を具体例を交え解説する。
要約
なぜ今オープンな組織が重要なのか
製造業や流通業など、様々な業界のリーダーと会うと必ず話題になるのは、組織を迅速に動かし、競争力を維持することの難しさだ。
めまぐるしく変化する環境で生じる様々な課題を適切に解決できる組織を作る ―― これこそが成功の条件であることは誰もが理解している。だが、どこから手をつけていいのかわからないのだ。
それは、ビジネスの勝敗を分けてきた旧来の手法が通用しなくなったためだ。
「オープン・オーガニゼーション」とは?
では、今の時代に成功する新たな組織とは、どんな姿なのか。そして、どう築けばよいのか。
まず、リーダーは組織のメンバーから知識、創造力、アイデア、情熱、活力を引き出して活用しないといけない。
同時に、外部の知恵を活用することも必要になる。それはすなわち、組織の壁を破り、顧客やパートナー企業と真の協力関係を結ぶこと、変化の最先端を走り続けるために組織をオープンにすることにほかならない。
ここで言う「オープンな組織(オープン・オーガニゼーション)」とは、組織の内外で参加型コミュニティと協力関係を結べる組織のことだ。こうした組織は迅速に機会を捉え、組織の外部にあるリソースと能力を活用できる。これにより、ビジネス環境のめまぐるしい変化に追いつけるのだ。
クラウドソーシングの限界
ここ数年、「クラウドソーシング」と呼ばれる活動の形態が話題になっている。これは集団の力でアイデアを生み出し、複雑な問題を解決し、社会活動を大きく広げていこうというもの。ウィキペディアやLinuxの開発は、その一例といえる。
そこでは何らかの活動を行うコミュニティが自発的に作られる。仕事はネットワーク的に分配され、各メンバーが責任を持って作業を進めていく。
これまで多くの企業がこうした「群衆の知恵」を活用することでイノベーションを実現してきた。
例えば、大手消費財メーカーのプロクター・アンド・ギャンブルは、小規模のスタートアップ企業と協力して新製品の企画・開発に取り組み、すでに100種の新製品を市場に送り出した。