2017年6月号掲載

フリーエージェント社会の到来 新装版 組織に雇われない新しい働き方

Original Title : FREE AGENT NATION

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著者紹介

概要

これまでアメリカ社会を象徴していたのは、「オーガニゼーション・マン(組織人間)」だった。しかし今、自宅を拠点に1人で起業する、臨時社員やフリーランスとして働くといった、「フリーエージェント」が増えつつある。彼らは、なぜこの生き方を選び、どのように働いているのか。全米での調査を基に、新たな働き方を論じる。

要約

フリーエージェント時代の幕開け

 この10年の間に、アメリカのほぼすべての産業と地域で根本的な変化が起きた。大勢のアメリカ人が「雇用」という労働形態を捨て、新しい働き方を生み出し始めているのだ。

 これまで何十年もの間、アメリカ経済を象徴していたのは、「オーガニゼーション・マン(組織人間)」だった。彼らは、大組織のために個性や個人的目標を押し殺した。その代償として、組織は定収入と雇用の安定を提供した。

 だが今日、組織に縛られることなく、自分の未来を自らの手で切り開く「フリーエージェント」が、労働者の新しいモデルになり始めている。今や、社会と経済の未来を知る上で、この新しい働き方をする人々について理解することは不可欠だ。

 では、フリーエージェントとは、どういう人たちなのか。それは、次の3つに分類できる。

・フリーランス

 最も一般的な形態は、フリーランスだ。特定の組織に雇われず、様々なプロジェクトを渡り歩き、自分のサービスを売る。経営コンサルタントやデザイナー、コンピュータ・プログラマーなど。

・臨時社員

 フリーランスが「意図したフリーエージェント」だとすれば、臨時社員は「意図せざるフリーエージェント」である。調査によると、臨時社員の63%は恒久的な職に就きたいと考えている。

 それでも、臨時社員は、現代の経済に欠かせない存在になっている。調査によれば、主要な多国籍企業の90%が常に臨時社員を使っている。

・ミニ起業家

 極めて小さな企業が続々と誕生している。従業員が2~3人しかいない企業もある。こうした企業を「ミニ企業」と呼ぶ。今やアメリカの企業の半数以上を従業員5人未満の会社が占めている。

 控えめに見た場合、アメリカのフリーランス人口は1650万人、臨時社員人口は350万人、ミニ起業家人口は1300万人。合計すると3300万人。アメリカの労働者の4人に1人がフリーエージェントという計算になる。

 

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