2018年1月号掲載
TIME TALENT ENERGY 組織の生産性を最大化するマネジメント
Original Title :TIME TALENT ENERGY
- 著者
- 出版社
- 発行日2017年10月22日
- 定価2,640円
- ページ数317ページ
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著者紹介
概要
「TIME TALENT ENERGY」。すなわち「時間、人材、意欲」が、企業の競争力の源泉だという。しかし多くの企業は、これら3つの貴重な経営資源を管理できていない、知らず知らずのうちに浪費している、と指摘。いかにすれば時間・人材・意欲をうまくマネジメントし、組織生産力を高められるか、具体的な処方箋を示す。
要約
TIME[時間]
過去50年近くにわたって、経営者の一番の悩みは資金繰りだった。
だが、もうそういう時代ではない。今日、資金は豊富にあり、調達コストも安い。資金の配分はもはや競争力の源泉にはならないのである。
では今、希少性のある経営資源、つまり競争力の源泉とは何だろうか。
それは、「時間」「人材」「意欲」である。
時間、人材、意欲の管理がずば抜けている優良企業と、それ以外の企業(下位4分の3)の間には、生産力に雲泥の差がある。企業全体のうち、上位4分の1は、下位4分の3の平均と比べて、生産力が40%も上回っているのである。
残念ながらほとんどの企業は、社員が勤務時間をどうすごしているか把握できていない。また、社員のやる気を引き出すことにも失敗している。
では、組織が持つ時間、人材、意欲、これら3つを管理するにはどうすればいいのか。
組織の時間のマネジメント
前述の通り、ほとんどの企業では、組織の時間の管理に関しては野放し同然だ。電話、メール、会議に幹部が毎日何時間も費やしているにもかかわらず、それを取り締まるルールは皆無に近い。
この管理体制の欠如が、深刻な大企業病を引き起こすのだ。社内の会議や連絡に時間が取られれば、その分、顧客に対して価値を生み出すための時間は減る。組織は肥大化して官僚化し、スピードが失われ、やがて業績にも悪影響を及ぼす。
こうした労働時間の管理を改善し、大企業病を抑える道はいくつもある。
・資金の投資と同じように慎重に時間を投資せよ
例えば、スティーブ・ジョブズがアップルを率いていた頃、上位100人の幹部を自然豊かな場所に集め、合宿形式の会議を開いて、翌年度の10大優先事項を考えさせたという。