2018年4月号掲載
深く考える力
- 著者
- 出版社
- 発行日2018年3月1日
- 定価968円
- ページ数249ページ
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著者紹介
概要
一般に、緻密に論理を積み上げる論理思考が、深い思索と思われがち。だが、それは思考の初歩的な段階にすぎない。心の奥に潜む「賢明なもう1人の自分」と対話し、叡智を引き出すのが、「深く考える力」。その力をいかに自分のものとするか。考えを文章に表す、問いを一度忘れる等、必要な5つの技法の身につけ方を、田坂広志氏が説く。
要約
賢明なもう1人の自分
深く考える力。それは、誰もが身につけたいと願う力であろう。
では、「深く考える」とは、いかなることか。それは、あなたの中にいる「賢明なもう1人の自分」と対話すること。その時、その「もう1人の自分」が、我々の考えを深めてくれる。
では、その賢明なもう1人の自分は、どこにいるのか。実は、誰の中にも、心の奥深くに、想像を超える賢さを持つもう1人の自分がいる。
我々の能力を、そして人生を分けるのは、賢明なもう1人の自分の存在に気がつき、その自分と対話する方法を知っているか否かである。
「賢明なもう1人の自分」が囁き出す
作家の遠藤周作氏が、こう述べている。
「ある心中物語を書こうと思ったら、書いている途中で、主人公が『死にたくない』と叫び出し、結局、この主人公を殺せなかった」
この主人公の叫びは、ある意味で、遠藤周作という作家の心の奥にいる「もう1人の遠藤周作」が囁いたのであろう。「この主人公を殺すな」と。
このように、「深く考える力」とは、長時間考えることでも、一生懸命に考えることでもない。心の奥深くにいる賢明なもう1人の自分の声に、耳を傾ける力である。
その賢明なもう1人の自分は、いつも、静かに我々の思考や思索を見つめている。そして、時折、素晴らしいアドバイスを与えてくれる。
「賢明なもう1人の自分」の持つ不思議な能力
この賢明なもう1人の自分は、我々の想像を超えた素晴らしい能力を持っている。
その能力は、大きく2つある。