2018年4月号掲載

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版

Original Title :Nonviolent Communication:A Language of Life 3rd Edition,

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著者紹介

概要

人と人が対立を排し、理解し合い、思いやりをもって対話する。そんな円滑なコミュニケーションを実現する手法が、著者の提唱する「NVC」(非暴力コミュニケーション)だ。本書では、対話の例を多数あげ、NVCを実践する上でカギとなる4つの要素について詳説する。世界60カ国以上で読まれ続ける、「話し方」の教科書である。

要約

心の底から与える

 人は生まれながらにして、他者を思いやり、与えたり与えられたりすることを楽しむ。そう信じる私にとって、長年頭から離れない疑問があった。

 人を思いやろうとする気持ちが、なぜかみ合わなくなってしまうのか。そしてそのあげく、暴力的になったり、相手から搾取したりするようなふるまいに出てしまうのは、どういうわけなのか。

「非暴力コミュニケーション」とは?

 何がどう影響して人への思いやりが失われるのかを研究するうちに、私は言葉の使い方がとても重要であることに気づいた。

 それ以来、どのように話をしたり聞いたりすれば、自分たちに本来備わっている力 ―― 人を思いやろうとする気持ちを引き出せるのか、そして相手と理解し合えるのかを探った。

 そうして、ある方法にたどり着いた。それを私は、「非暴力コミュニケーション」(Nonviolent Communication:NVC)と呼ぶ。心の中の凶暴性を鎮め、他者を思いやろうとする自然な心地を表現するには、ガンジーが使った“非暴力”という言葉がぴったりだ。

 このNVCのプロセスは、「人を思いやるコミュニケーション」とも呼ばれている。

自分を表現し、人の言葉に耳を傾ける方法

 NVCがめざすのは、人と人は互いに関係を築けるものだという自覚を取り戻し、それを実践に移すためのお手伝いをすることである。

 具体的には、自分を表現し、他人の言葉に耳を傾ける方法を組み立て直す。反射的に反応するのではなく、自分が今どう感じているのか、何を必要としているのかを把握した上で、意識的な反応として言葉を発するようにする。どんなやりとりにおいても、自分が、そして人が必要としていることに耳を傾ける。

 私が人生に求めるのは、人を思いやる気持ちであり、人と心の底から与え合いながら交流することだ。このことを私は「心の底から与える」と表現する。心の底から与える時、与える側も受け取る側も、喜びに満ちている。

NVCのプロセス

 心の底から与えたい、という願いにたどり着くには、次の「NVCを構成する4つの要素」に意識を集中させる必要がある。

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