2018年12月号掲載
Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法OKR
Original Title :Measure What Matters:How Google, Bono, and the Gates Foundation Rock the World with OKRs
著者紹介
概要
シリコンバレーで成功を収める数々の企業が採用しているマネジメント手法、「OKR」。“目標”(Objectives)と“主要な結果”(Key Results)を管理することで、社員の最高のパフォーマンスを引き出し、驚異的な目標を達成するものだ。インテルでこの手法を学び、グーグルに伝授した著者が、OKR誕生の経緯や特徴、効果を語る。
要約
OKRの父
「OKRは、会社のあり方を根本的に変えた」
(グーグル元CEOエリック・シュミット)
OKRとは、「目標(Objectives)」と「主要な結果(Key Results)」の頭文字を取ったもので、今日、様々な企業が採用している経営管理手法のことである。
目標(O)とは、「何を」達成すべきかである。そして主要な結果(KR)とは、目標を「どのように」達成しつつあるかモニタリングする基準だ。
このOKRを用いれば、会社内のあらゆる組織が、同じ重要な課題に全力で取り組むようになる。
インテルを率いた男
OKRは、優良企業インテルで誕生した。
同社を設立し、30年にわたり率いたのは、「トリニティ(三位一体)」と呼ばれる3人組である。
1人目は、「ムーアの法則」の生みの親であるゴードン・ムーアだ。彼は、「コンピュータの処理性能は2年ごとに倍増する」として、テクノロジーの指数関数的成長を予見した。
2人目は、ロバート・ノイスで、集積回路(マイクロチップ)の共同発明者の1人だった。
そして3人目が、「OKRの父」アンディ・グローブだ。ナチスの迫害を逃れ、20歳の時にハンガリーから米国へ難民としてやってきた彼は、偏執狂的な情熱が特徴的だった。そして意志の強さと知力だけで、シリコンバレーで最も尊敬される会社のトップにのし上がり、驚異的な成長に導いた。
独創的なマネジメントシステム
1975年、インテルに入社した私は、「インテルの組織、理念、経済学講座」を受講した。多くの人が一度は出てみたいと憧れるセミナーだ。担当講師は、アンディ・グローブその人である。