2019年3月号掲載
領土消失 規制なき外国人の土地買収
- 著者
- 出版社
- 発行日2018年12月10日
- 定価924円
- ページ数254ページ
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著者紹介
概要
中国資本による土地買収の実態を暴いた、『爆買いされる日本の領土』。本書は、この書の続編である。奄美大島などで進む土地買収問題の現状を伝えるとともに、外国資本による日本の国土買収が止まらない理由を、諸外国の法規制と比較して解説。土地買収を容認し続けると、国家そのものの存在が危うくなると警告する。
要約
止まらない国土の買収
「奄美が中国に呑み込まれそうだ」
2018年の春、奄美大島出身の知人男性から連絡が入った。鹿児島から南方約380kmの洋上に浮かぶ奄美大島は、豊かな自然と独自の伝統文化を持つ島だ。そして、国防の要でもある。
そのような島で、一体、何が起きているのか。騒動が起きているのは、大島郡瀬戸内町の西端に位置する西古見地区。人口が35人の小さな集落だ。ここに大型クルーズ船が寄港し、中国などからの観光客を誘致する計画が進んでいるという。
国交省の大型クルーズ船誘致計画
騒動の発端は、国土交通省が2017年に発表した「島嶼部における大型クルーズ船の寄港地開発に関する調査結果」だ。
このリポートで国交省は、世界最大の22万トン級のクルーズ船が寄港することを想定し、「係留施設の設置水深が12m以上」「サンゴ礁がない」などの条件を付けていたが、瀬戸内町は、西古見地区がこうした条件を満たしているとして、県に誘致支援を求めた。これにより、この集落に大型クルーズ船が寄港する計画が動き始めた。
実は、大型クルーズ船の寄港計画は2016年にもあった。米国のロイヤル・カリビアン・クルーズ社が、奄美大島の北部の龍郷町に同規模のクルーズ船で、乗客乗組員合わせて7000人を超える外国人(中国人)を来島させる計画を持ちかけたのだ。龍郷町が拒否し、同社は瀬戸内町に打診したが、それも拒否され、計画は立ち消えになっていた。
ところが再び、寄港計画が動き出したのだ。
住民の1人は言う。「7000人もの観光客が来て何をするのでしょうか。道も狭く、受け入れには大がかりな再開発が必要ですが、そうすると環境が破壊されます。なぜ、こんな所に大きなクルーズ船を呼び込もうとするのかわかりません」。
人口の200倍の中国人観光客
地元のある地方議員経験者は、「人口の200倍以上の外国人観光客、中国人観光客が押し寄せると、どういうことが予想されるかを考えてほしい」と言って、こう憂慮する。
「奄美の自然を中国人向けに売り出すことになります。リゾート施設もできるでしょうし、その結果、訪れるのは中国人ばかりになり、村はほとんど中国人によって占められるでしょう」
同時に、安全保障上重要な地域に流入され、不動産が買収される可能性も出てきている。すでに対馬や北海道では、外国資本による不動産買収が拡大している。