2020年2月号掲載

7つの階級 英国階級調査報告

Original Title :SOCIAL CLASS IN THE 21ST CENTURY

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著者紹介

概要

これまで社会階級は、上流・中流・労働者の3つに分けられていた。だが、今はそう単純ではない。エリートと貧困層の間には、複雑で曖昧な中流層が存在する。本書は、「経済資本・文化資本・社会関係資本」の3つの所有の面から英国社会を分析、7階級の存在を明らかにした。格差について考える上で新たな視点をもたらす1冊だ。

要約

英国階級調査に見る現代の階級

 21世紀に入り、不平等は社会に深く根を張り巡らし始めている。

 今日の社会は、過去のどの時代より物質的な豊かさを享受しているにもかかわらず、貧困などの積年の問題は深刻度を増し、貧困層の対極にある超富裕層(スーパーリッチ)は急速に富を増大させている。

 こうした不平等の拡大は、社会階級にどのような変化をもたらすのか ―― 。

 イギリスでは現在、階級問題への関心が急激に高まっている。

 2013年、私たちは、英国放送協会(BBC)が実施した「英国階級調査」の分析結果を公表した。これを機に、メディアが大きく取り上げ、世界的な関心を喚起した。

 BBCから統計調査の設問作成の協力を求められた時、そのような調査に人々がどの程度の関心を示すか、予想もつかなかった。だが、調査が始まってわずか数週間で16万1000人が回答を寄せた。

 私たちは2年の月日を費やしてデータを解析し、現在のイギリスには7つの新しい階級が存在するという、新しい社会学的モデルを作成した。

 驚いたことに、公開して1週間も経たないうちに700万人が階級算出装置をクリックした。これは、イギリス人の成人の5人に1人にあたる。このことが示す通り、多くのイギリス人が階級を意識し、階級に関心を抱き、階級に動揺している。

 エコノミストは格差の拡大を指摘するが、格差を社会階級の概念では説明しない。そうした傾向に対し、階級の重要性をもう一度呼び覚ましたい。

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