2020年5月号掲載
グローバル・グリーン・ニューディール 2028年までに化石燃料文明は崩壊、大胆な経済プランが地球上の生命を救う
Original Title :THE GLOBAL GREEN NEW DEAL:WHY THE FOSSIL FUEL CIVILIZATION WILL COLLAPSE BY 2028, AND THE BOLD ECONOMIC PLAN TO SAVE LIFE ON EARTH
- 著者
- 出版社
- 発行日2020年2月20日
- 定価2,200円
- ページ数307ページ
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著者紹介
概要
地球温暖化が進む今日、“化石燃料文明”からの脱却はもはや待ったなし。地球上の生命を救うカギは、「グリーン・ニューディール」だと言う。社会の脱炭素化、スマートでデジタル化されたインフラの整備…。かつての米国のニューディール並みの経済政策の大転換を、『限界費用ゼロ社会』の著者ジェレミー・リフキンが提言する。
要約
第3次産業革命のパラダイム
2018年10月、国連の科学機関、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」はこう警告した。
「温室効果ガスの排出が増大しており、このままいけば異常気象が発生し続け、地球上の生命の存続が脅かされる可能性がある」
IPCCは、2030年までに温室効果ガスの排出量を2010年レベルの45%に削減しない限り、生態系が破滅的影響を受ける恐れがある、と指摘する。
それを回避するためには、グローバル経済と社会のあり方、そして私たちの生活スタイルを根本的に変革する ―― 「グリーン・ニューディール」を実現する必要がある。
* * *
手遅れにならないうちに世界経済を「脱炭素化」し、再活性化しなければならない。そのためには、まず「歴史における経済の大きなパラダイムシフトは、どのようにして起きるのか?」と問う必要がある。
それがわかれば、世界のどの国も、グリーン・ニューディールを実現するためのロードマップを描くことができるはずだ(グリーン・ニューディールの名は、1930年代に大恐慌により経済危機に陥った米国を再建するために実施されたニューディール政策にちなむ)。
歴史における大きな経済的転換には共通点がある。それは「通信手段・動力源・運搬機構」という3つの要素を必要とするという点だ。経済活動も社会生活も、通信なしには管理ができず、エネルギーなしには動力が供給できず、輸送とロジスティクスなしには移動できない。
19世紀には、印刷機、電報、石炭、蒸気機関車が登場し、第1次産業革命が起こった。20世紀には、電気、電話、石油、内燃機関自動車などが、第2次産業革命を支えるインフラを形成した。
そして今、私たちは第3次産業革命のただなかにいる。「IoT」(モノのインターネット)のプラットフォーム上に、デジタル化されたコミュニケーション、デジタル化された再生可能エネルギー(動力源は太陽光と風力)、デジタル化された輸送/ロジスティクス(電気自動車)が一体化し、21世紀の社会と経済を変えようとしているのだ。