2020年8月号掲載

プロフェッショナル経営参謀

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著者紹介

概要

技術革新などによって、先が見えにくい今の時代、経営者が求めるのは“プロの経営参謀”だ。すなわち、経営トップの意思決定に関わり、最適な仕事をデザインし、会社を動かしていく人材。そんな経営参謀に求められる能力、そして、それを高めるためのトレーニング法を、ボストン コンサルティング グループ日本代表が説く。

要約

経営参謀の仕事とは何か?

 経営参謀の仕事は、難しい。なぜか?

 それは、「与えられた問いに答えを出す仕事ではないから」だ。自ら正しい問いを立て、「なぜ今、それを解くべきか」について経営層と合意形成を図る。さらには、問いを突きつけることで、経営層に意思決定を迫る。それが経営参謀の役割であり、果たすべき責任である。

 問いを立てて合意形成に持ち込むには、経営テーマをどう料理するかをデザインし、具体的なワークフローを設計して、仕事全体を組み立てていく能力が求められる。

 また、経営者に意思決定を迫るには、論点の組み立て方や段取りのセッティング、経営層への問いの突きつけ方やタイミングを見立てるセンスが必要だ。

 何から議論をスタートさせ、どんなシナリオを提示すれば経営層の頭を刺激できるか、意思決定をする際に阻害要因となるものは何かを想像した上で、必要な材料を準備し、アジェンダを設定して、最適なタイムスケジュールや段取りを組み、活発なディスカッションを引き出していく。

 この一連の流れをデザインする能力がなければ、経営参謀の役割を果たすことはできない。

 そして、この参謀の「仕事」をさらに詳しく定義すると、次の3つの要素に集約できる。

①解くべき課題を設定し、論点を見極める

 経営層から出されるお題は、課題や論点が明確ではなく、非常にぼんやりしていることが多い。

 では、プロセスをデザインする際に最初にやるべきことは何か。それは「議論の手順、組み立ての全体像を明らかにし、問いを構造化・ツリー化すること」だ。

 全体の構造を示しながら議論することで、「何が本当に重要な問いであり、論点なのか」に経営層自身が気づくように促すのが参謀の役割だ。

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