2020年10月号掲載

中小企業の新・幸福経営

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著者紹介

概要

26年連続黒字を継続、無借金経営、離職率はほぼゼロ…。倒産寸前だった株式会社日本レーザーを優良企業へと導いた近藤宣之氏が、自らの経営ノウハウを語った。その中で氏が強調するのは、「人を大切にしたから業績が向上した」という事実。本書では、その経緯を明かすとともに、中小企業のための具体的な経営手法を公開する。

要約

会社のあり方を変えれば組織は強くなる

 現在、大企業が次々と「終身雇用は時代に合わない」とあきらめ、「副業容認」「団塊ジュニア世代の大量リストラ」などを進めている。

 一方で、「優れたIT人財には初任給1000万円」のように、成長分野を担う人財には超優遇措置をとるなど、いわば弱肉強食の経営へと転換している。

 しかし、そんなやり方で企業は持続可能な成長を実現できるのだろうか ―― 。

社員を幸せにする会社しか生き残れない時代

 人口減少と少子高齢化は急速に進んでいる。それは人の生き方、働き方にも大きな影響を与える。

 こうした変化によって、これからの「会社のあり方」は、次のように変わる。

 すなわち、会社の存在意義が、従来のように労働の対価として金銭報酬を支払う場だけではなく、働くことで得られる「やりがい、成長する喜び、自己実現」を提供する場となるのだ。

 これまでは、業績悪化をリストラでしのいだり、非正規社員で仕事をまかなったりという、いわゆる効率経営が「合理的で優れた経営」としてもてはやされてきた。だが、その結果が「先進7カ国中最低の生産性」「20数年間のデフレ」である。

 こうした現実を受け入れ、人口減少・少子高齢化に向けて、働く人が「生きがい・喜び」と感じられる場へと会社を転換しない限り、日本企業が衰退の一途を辿ることは想像に難くない。

人を大切にすると業績は上がる

 だが、そんな当社も27年前は倒産寸前だった。その再建を果たした私が強調したいのは、「人を大切にしたから業績が向上した」という事実だ。

 経営者にまず問われるのは、会社のあり方に対する考えである。この考えが変われば、目指すビジョンが変わり、戦略も、行動も変わる。

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