2021年3月号掲載
本気の説教 心に刺さる耳の痛い話
- 著者
- 出版社
- 発行日2018年6月1日
- 定価825円
- ページ数235ページ
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著者紹介
概要
上司の本気の説教にこそ、部下を成長に導くカギがある ―― 。人材育成に携わる著者が、働く人の心に刺さる“耳の痛い話”の数々を通して、仕事で成果を出すための秘訣を伝授する。「仕事の報酬は仕事」「ロールモデル探しは時間のムダ」…。テレワークが拡大する昨今、部下育成に悩む上司にとっても参考になるヒントが満載だ。
要約
ビジネスパーソンが成長するために
上司や先輩たちが、部下に嫌われることを恐れて言わなくなった「説教」や「耳の痛い話」。
実は、この説教や耳の痛い話こそが、仕事に向き合う気持ちを形作ってくれる。例えば ――
仕事の報酬は仕事。労働は等価交換にあらず
「自分はこんなに働いているのに、給料は安いままだ…」。これは入社3、4年目になると必ずと言っていいほど生じる思いである。そういう時は、こう考えてみてほしい。
仕事の報酬は仕事である ―― 。
ここで悩む人は、仕事の報酬は“給料”だと思っている。どういうことか?
例えば、100円を払ってペットボトルの水を買う。これは消費行動であり、等価交換が成立する。この感覚を労働の現場に持ち込むと、「これだけ働いているのに、これしかもらえない」となる。
ここに、時給900円でアルバイトしている学生がいるとする。初めは一生懸命働くが、数カ月経ち仕事に慣れてくると「900円じゃ割に合わない」と言い始める。もう少し頑張れば、「正社員として働かないか」と声がかかるかもしれない。そうなれば、時給換算で1800円になる可能性がある。にもかかわらず、時給950円の仕事を探す。
これは消費行動と同じだ。だが、労働の場面では、リアルタイムの等価交換は成立しない。後から利子がつき、大きくなって返ってくる。労働が報われるまでにはタイムラグがあるのだ。
新しいプロジェクトが立ち上がる時、「この仕事ならあいつにやらせてもいいんじゃないか」と白羽の矢が立つ。それを「ご褒美」と考えて取り組んだ方が高いレベルの信頼関係を構築でき、経済的報酬も後から返ってくるものだ。
ロールモデル探しは時間のムダ
ロールモデル難民 ―― 。そんなふうに呼びたくなるような若者をよく見かける。「この会社には、お手本にできるような人がいない」。そう言って、転職を繰り返す人たちのことだ。
彼らが求めているのは、全人格的に帰依できるような存在だろう。しかし、完璧なビジネスパーソンなど存在しない。それを求めてさすらう彼らの、何と不幸なことか。