2021年4月号掲載
SWITCH オートファジーで手に入れる究極の健康長寿
Original Title :THE SWITCH:IGNITE YOUR METABOLISM WITH INTERMITTENT FASTING, PROTEIN CYCLING, AND KETO
- 著者
- 出版社
- 発行日2021年1月12日
- 定価1,980円
- ページ数293ページ
※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。
※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。
著者紹介
概要
近年、医学界で「オートファジー」が注目されている。これは、人の細胞に備わった、不要物を除去・再利用する機能のこと。健康長寿のカギといえるが、現代人のそれは、多くが眠ったまま! いかにしてオートファジーの「スイッチ」をオンにし、病気や不調を跳ね返すか。その方法を、長年、健康長寿を探究してきた著者が語る。
要約
健康長寿のカギ=「オートファジー」
近年、生物学、特に人間のゲノムに関する分野は飛躍的な発展を遂げている。
中でも、とりわけ興味深い発見が、「オートファジー」と呼ばれるプロセスである。
老化防止のプロセス「オートファジー」
オートファジーは「自分で自分を食べること」を意味する。私たちが生まれつき備えている、身体が自らの部品を再利用・再生する方法のことだ。
何十億年もの間、生命体の遺伝暗号に保存されてきたものであり、誰もが体内のこのプロセスを機能させることができる。
詳しく言うと、オートファジーは、細胞内で損傷・老化して有害な影響をもたらす細胞小器官(細胞内で様々な働きをしている器官)や、細胞内細菌(病気を引き起こす微生物)を取り除き、再利用するもので、効果的な老化防止プロセスだ。
オートファジーには、免疫系を強化し、がんや心臓病、慢性炎症、うつ病や認知症などの神経変性疾患の発症リスクを低下させる効果がある。
スイッチ
オートファジーは、細胞内の「mTOR(エムトア)」と呼ばれるタンパク質の働きが抑制されることで誘発される。反対に、mTORが活性化すると、このプロセスが抑制される。このmTOR複合体を、本書では「スイッチ」と呼ぶ。
スイッチは、照明器具の調光器のようなものだ。つまり、つまみを片方の端に向けて回すと光が強まり、逆に回すと弱まる。
人類は、体内でこの「成長」(mTORが活性化)と「修復」(オートファジー)の生物学的なスイッチを、絶え間なく回したり戻したりできるように進化してきた。
だが、現代人は、このスイッチを常に成長の方向にひねり、修復の方向にはほとんど回さないような生活を送っている。このスイッチが成長にある時、「細胞のごみ収集車」の働きをする「修復機能」は動きを止め、細胞内の廃棄物を取り除く能力が低下する。