2021年8月号掲載
起業は意志が10割
著者紹介
概要
コロナ禍で浮き彫りになった、様々な社会課題。それらの解決には、信念を持って新たな事業に挑む人が欠かせない。だが、新規事業への挑戦となると、不安も膨らむ。本書は、この道30年、52の事業を起こし続けた“起業のプロ”が、そうした不安に応え、起業を後押しするもの。自身の失敗体験も交え、起業のポイントを説く。
要約
商機と勝機の大量発生
新型コロナウイルス感染症の蔓延で、全世界全世代同時多発的に「不」が起きた。「不」とは、不便、不足、不利益であり、すべてにおけるマイナスの圧力のことを意味する。
こんな事態は、そうあることではない。今の時代に生まれ、「なんて運が悪いんだ!」と嘆く人もいるかもしれないが、僕はむしろ、今、商機と勝機が大量発生する時代が到来したと考えている。
「不」が生む商機と勝機
「不」が生まれたということは、必ずそこに商機と勝機が発生する。つまり、新規事業が求められるようになるのだ。それは挙げればキリがない。
例えば、コロナ禍で、ミーティングの多くがオンラインとなった。これは一見、効率的に仕事ができるようになったかのようだが、心身の疲労の観点から見るとそうではない。実際、僕の身に何が起きたかというと、腰痛が悪化した。
以前は、1日平均1万4000歩ほど歩いていた。それが、自宅で仕事をする生活になってから、1日500歩ほどに落ち込んだ。明らかに健康状態に「不」をきたしたのだった。
僕と同じような人が続出し、多くの「自宅トレーニングビジネス」が生まれている。
行動することで勝機を掴む時代
商機と勝機が乱立するこのウィズ・コロナ時代では、大量の勝者が生み出される。さらにいうと、今日の勝者と明日の勝者がどんどん入れ替わっていくという、熾烈な戦いになるはずだ。
これは企画や計画を机上でじっくり練った上での勝負というよりは、気づきを素早く行動に移すことによる勝負である。しかも現代は、オンラインで呼びかけて人材を集められるなど、事業に必要なツールを簡単に手にできる時代だ。
つまり、誰もが勝機を掴む可能性を持っている。
数年先か数十年先に「今」を振り返った時、僕らはこの2020年を「辛かった時代」という印象よりも、「時代が大きく前に進んだ瞬間」と総括するかもしれない。