2022年6月号掲載

中国が世界を牛耳る100の分野 日本はどう対応すべきか

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著者紹介

概要

トランプ大統領以降、激化する中米対立。ただ、その勝敗の行方はすでに決まっている。中国が様々な分野で世界一を達成、勝利を収めるのだ。世界最多の法人企業数、レアアースの独占、アメリカに肉薄する軍事力、華僑・華人の固い結束…。中国研究40年の著者が各種データを示し、世界制覇に王手をかけた中国の姿を描き出す。

要約

アメリカの敗北

 トランプ大統領時代の2018年に始まり、バイデン大統領に引き継がれた深刻な中米対立。

 実はこの戦いの決着はすでについていた。様々な分野で中国の制覇は進んでおり、トランプはそれを初めて表面化させただけである。言い換えれば、アメリカの敗北はすでに濃厚だったのだ。

暴き出された2つの本音

 バイデン大統領は2021年4月の議会施政方針演説で、「中国の専制主義に民主主義が勝ることを証明する」とともに、21世紀の中国との競争に必ず勝利すると表明した。

 中国はこれに対して、「アメリカの民主主義を他国に押しつけるな」と反発し、アメリカの宣戦布告に受けて立つ構えを剝き出しにした。

 このやり取りから、米中に潜む2つの本音が見えてくる。1つは、アメリカが中国に様々な分野で追い抜かれたことを自覚したこと。もう1つは、中国には民主主義国家になる気は毛頭ないことだ。

 中国の法律や条例などで目にする「民主」という言葉は、「主権在民」の民主ではなく、「民衆を代表する共産党主権」を意味している。

 民衆が政治権力の上に立つことが本来の民主だが、中国では共産党政権は民衆が革命で勝ち取ったもので、民衆と共産党政権は分離不能だとして、共産党政権そのものが民主的主体だというのだ。

 中国は、「民主」の誤訳をあえて行っている。そうしてできた「民主」という皮を被って、本来の民主主義とは異なる道を進もうとしているのだ。

アメリカの反撃

 同法案の中身は、アメリカが本気になって中国との「戦闘」を始める宣言であり、まさに中国と対峙するための姿勢、方針、具体策、予算措置をすべて含む対中合衆国憲法のようなものである。

 法案の具体策をいくつか挙げると、次の通りだ。

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