2022年6月号掲載
元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法
Original Title :THE TRUTH DETECTOR:An Ex-FBI Agent's Guide for Getting People to Reveal the Truth
- 著者
- 出版社
- 発行日2022年3月3日
- 定価1,760円
- ページ数356ページ
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著者紹介
概要
FBI特別捜査官を長年務めた著者が、真の情報を引き出すテクニックを伝授する。推測を述べる、範囲を限定する、好奇心を刺激する…。紹介される数々の手法は、心理学の知見をもとに編み出されたもの。これを活用すれば、情報を得たい相手から信頼され、好感を持たれ、そうと気づかれずに有益な情報を引き出せるという。
要約
引き出し法とは
私は20年ほど、FBI(連邦捜査局)で特別捜査官を務めてきた。私の任務は、容疑者やスパイが重要な情報を隠そうとしていないか、あるいはウソをついていないかを見極めることだった。
私は同僚たちと協力して、相手がウソをつく態勢に入る前に事実を引き出す手法を編み出そうと知恵を絞った。そこで参考にしたのが、心理学や行動科学だ。その結果、相手に指1本触れずに情報を引き出す「引き出し法」が誕生したのである。
引き出し法は、日常生活の様々な場面においても有効活用することができる。そのためには、いくつかのステップを踏む必要がある。
引き出し法を活用できる環境をととのえる
引き出し法を活用する際は、事前に相手と信頼関係を築かなければならない。
まず、相手に近づいていく時には、「三大〈好意シグナル〉」をさりげなく示そう。
好意シグナルの1つ目は「眉をさっと上げて目を見開く」。知らない人に近づく時、眉をさっと上げて見せれば、「私は怪しい者ではありませんよ」というメッセージを送ることができる。
2つ目は「頭を傾ける」。左右どちらかに頭を傾けるのは、「私は脅威ではありません」というメッセージを送る仕草だ。頭を傾ける動作は、信頼の置ける人、魅力的な人と思われやすい。
最後は、「心からの笑顔を見せる」。にっこりしていれば、好感をもたれやすくなる。
また実際に会話を始めたら、ふさわしいタイミングで〈好感度アップの鉄則(共感を言葉で表現し、相手を褒めていい気分にさせる)〉を実践しよう。そしてアクティブリスニング(積極的傾聴)を心掛け、話題の中心を相手に据えよう。
引き出し法のサンドイッチ ―― 「初頭効果」と「新近効果」
相手と信頼関係が築けたら、次は、引き出し法を活用するタイミングを図る。
我々は話の中盤で出た話題より、最初(初頭)と最後(新近)に出た話題の方をよく覚えている。これを「初頭効果」と「新近効果」と呼ぶ。