2022年7月号掲載
ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング Webマーケティングの成果を最大化する83の方法
著者紹介
概要
リアルの世界の延長線上でWebマーケティングを展開する会社は多い。だが、それでは不十分だと、経営者にして現役マーケッターの著者は指摘。成果を出すには、Webの世界の前提条件を理解した上で、適切なターゲットに効率的にアプローチすべきだと説く。そのためのノウハウを公開した、Webマーケティングの手引書である。
要約
Webマーケティングの2つの手法
私は、1人で創業した会社を、独自のWebマーケティングで東証プライム(旧東証1部)上場企業にまで育て上げた。
そのWebマーケティングの手法が、次の2つだ。
・ファンダメンタルズマーケティング
商品そのものやユーザーのペルソナ(サービス・商品の典型的なユーザー像)、インサイト(消費者を真に購買へと突き動かしている要因)を分析してコミュニケーションを設計する。
・テクニカルマーケティング
クリック率、購入率、キーワード(顧客が検索エンジンに入力したキーワード)などのデータから、顧客とのコミュニケーションを設計する。
ファンダメンタルズマーケティングは、従来のマーケティングと同じである。一方、テクニカルマーケティングはデータをベースに判断するため、極端に言えば商品について詳しく知らなくてもある程度の結果を出せる。
また、テクニカルマーケティングはそもそもすでに売れている、もしくは売れやすい商品があって初めて成り立つ手法である。だから、テクニカルマーケティングだけでは「売れている商品をより効率的に売る」ことはできるが、売れていない商品を売れるようにはできない。
Webマーケティングを俯瞰的に理解する
Webマーケティングを実践する上で最も重要なのは、テクニカルマーケティングはファンダメンタルズマーケティングの一部であるということだ。
テクニカルマーケティングを行って成果が出ない時は、ファンダメンタルズマーケティングの領域、つまり土台の部分に戻ってマーケティングを組み直さないといけない。テクニカルマーケティングしか知らないマーケッターは、この時点で「この商品はダメだ」と判断することがあり、大きな機会ロスが生まれてしまう。そのような失敗に陥らないためにも、Webマーケティングを俯瞰的に理解することが重要である。
順に2つのWebマーケティングの極意を示そう。
ファンダメンタルズマーケティングの極意
Webマーケティングのクリエイティブ(広告として制作されたコンテンツ)は、3つの要素で構成されている。誰に、何を、どう伝えるかだ。