2023年10月号掲載

2050年の世界 ――見えない未来の考え方

Original Title :The World in 2050 (2022年刊)

2050年の世界 ――見えない未来の考え方 ネット書店で購入
閉じる

ネット書店へのリンクにはアフィリエイトプログラムを利用しています。

※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。

※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。

著者紹介

概要

人口、エネルギー、世界秩序、貿易…。世界は、これからどうなるのか? 英国屈指のジャーナリストが、30年後を見通した。化石燃料への依存は縮小し、米中関係は悪化、国際貿易の拡大に歯止めがかかるなど、「2050年の世界」を大胆に予測。1世代後の世界経済を、膨大なファクトと豊富な知見に基づき、照らし出す。

要約

変化をもたらす5つの力

 今から一世代後、つまり25~30年後の2050年までに、経済の地位が劇的に上がっている国もあれば、あまり前進していない国もあるだろう。

 その時に経済全体を支配することになる潮流の多くは、すでに明らかになっている。そうした要因、すなわち、これからの世界に変化をもたらす“力”は5つある。例えば ――

人口動態 ―― 老いる世界と若い世界

 世界の人口は、どれくらいになるのだろう。

 2019年なかばには77億人だったが、2050年には100億人弱になる見込みだ。

 また、先進世界の高齢化は所与のものである。人口の高齢化はすでに進んでおり、少なくともあと一世代は続くだろう。それは先進世界だけにとどまらない。高齢化はすでに中国とロシアでも見られる。やがてインド、亜大陸全体へと広がる。

 そして、この先見込まれる人口増加のほとんどすべてが新興世界で生まれる。インド、それ以外の南アジア、アフリカがその大半を占める。

 アフリカの人口は爆発的に増える。2019年の国連推計によると、サハラ以南アフリカの人口は2019年の10億5000万人から2050年には21億人と、2倍になる見通しである。北アフリカを加えた総人口は13億人から25億人に増え、世界人口の4分の1を占めるようになる。

 こうした人口動態の変化に、世界は対応できるのか。大きな課題として、次のようなものがある。

  • ・ヨーロッパは人口の高齢化に対応するために政策をどう調整するべきか。
  • ・人口が急速に減っている地域、特に東ヨーロッパとロシアはそれにどう取り組むか。
  • ・中国は高齢化する社会にどこまで適応するか。
  • ・世界でも特に若い地域であるアフリカと中東は、人口の急増にどこまで対処し、若者が満足のいく生活を送れるようにできるか。

資源と環境 ―― 世界経済の脱炭素化

 気候変動は、環境と天然資源に関連するあらゆる問題に大きな影響を与える。100億人が十分な食べ物と水を手に入れられるのか。中間層の生活様式を支えるだけエネルギーはあるのか。世界のメガシティは環境を破壊せずに機能できるのか…。

 エネルギーの分野で最も期待はずれだったのが原子力だ。1956年にイギリスで原子力発電所が初めて稼働してから、60年以上がたっている。だが、今の世界の発電量に占める原子力発電の割合はわずか11%で、世界の原子力発電所の数は1990年からほとんど増えていない。

この本の要約を読んだ方は、
他にこんな本にも興味を持たれています。

世界から戦争がなくならない本当の理由

池上 彰 祥伝社(祥伝社新書)

リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義

渡辺 靖 中央公論新社(中公新書)

人間はなぜ戦争をやめられないのか 平和を誤解している日本人のために

日下公人 祥伝社

消費税25%で世界一幸せな国デンマークの暮らし

ケンジ・ステファン・スズキ 角川SSコミュニケーションズ (角川SSC新書)