2024年11月号掲載

顧客体験と従業員体験の好循環をつくる エクスペリエンス・マインドセット

Original Title :THE EXPERIENCE MINDSET:Changing the Way You Think About Growth (2023年刊)

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著者紹介

概要

顧客への対応に力を注ぐあまり、従業員に負担をかけるやり方は企業の成長を妨げる。企業が成長するカギは「顧客体験(CX)」とともに「従業員体験(EX)」も向上させること。「エクスペリエンス・マインドセット」は両者を同時に強化し、最大限活用するものだ。その利点と方法を、各種事例を交えて詳しく解説する。

要約

顧客体験(CX)

 会社を成長させるには、バランスの取れたやり方で、「顧客体験(CX)」と「従業員体験(EX)」の両方を底上げしなければならない。

 高い顧客体験と従業員体験を実現している企業は、それらが低い企業に比べ、3年間の年平均成長率がほぼ2倍となっている。バランスを取ってCXとEXを並行して改善すれば、企業は幾何級数的に成長できるのだ。

優れたCXの特徴

 優れたCXを実現するために企業がすべきこと。それは、例えば、次のようなものである。

・効率化

 商品やサービスを購入する際に、顧客が費やす時間と労力を最小限にする。

・個別化

 顧客の名前や購入履歴などについて、従業員が確実に記憶しているようにする。

・柔軟性

 オンライン、オフライン問わず、顧客の望む形で購入や連絡ができるようにする。

 これらは、いずれも要は「顧客の労力を減らす」ためのものだ。顧客の労力を減らせれば、企業ブランドに対する顧客体験を向上させ、顧客のロイヤルティを高めることができる。

CXのジレンマ

 だが、企業がCXを向上させ続けることで、あるジレンマが生じる。

 私たちの祖先から見たら、アマゾンの小売り形態は奇跡のようだろう。しかし、それに慣れた私たちから見れば、そこに問題が隠されている。

 午後10時までに届くとされた商品が翌朝午前9時に届いたら、期待を裏切られた私はアマゾンに失望する。たった一度の遅配で完全にアマゾンを見限ることはないが、期待を上回る他の企業が現れたら、そちらを試してみようとするだろう。

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