2024年11月号掲載

Z世代の社員マネジメント 深層心理を捉えて心離れを抑止するメソドロジー

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著者紹介

概要

楽しそうに働いていた若手社員が、突然退職。そんな事態に茫然とする管理職は少なくないだろう。なぜ、こんなことになるのか。早期離職を防ぐには何をすべきか? 採用支援業務などに長年従事する著者が、人が働く上での本質や、若手を惹きつけ成長させる具体策などを詳述。離職問題に悩むすべての人に解決のヒントを与える。

要約

突然辞める若手社員

 昨今の若手社員は、何の前触れもなく「突如」として辞めることが多い。

 こんな例がある。マネジャーのAさんが入社3年目のBさんとキャリア面談をしていた時のこと。「この会社でもっと成長するためには何が必要ですか?」と、Bさんは聞いてきた。Aさんは自らの経験も交えて様々なアドバイスをした。Bさんは、「いただいたアドバイスを活かして頑張ります!」と言い、自席へと戻っていった。

 ところが2週間後、Bさんから「次の会社が決まったので、来月末で退職させてください」との相談を受けた。なぜ、こんなことになったのか?

「個人人格」と「組織人格」

 「近代組織論の父」といわれるチェスター・バーナードは、組織における人間には「2つの人格」があると唱えている。この2つの人格について理解すると、急に辞めると言い出したBさんの言動にも一定の真理があることがわかる。

・個人人格

 自由な意志や動機に基づいて、何にどのくらいの時間や労力を割くかを決めている人格。どこで、どのような仕事をするかは、個人人格としての自分が決める。今日も会社に行くことを決めたのは個人人格である。

・組織人格

 組織の指示によってある役割を担うことを強制されて行動している人格。組織の目的がある以上、人は組織の目的実現に向けてその役割を全うしなければいけない。例えば、会いたくないクライアントに会って頭を下げるのは組織人格である。

 そして、「個人人格と組織人格は同時に存在している」というのが、バーナードの主張である。

 先の例の場合、Bさんは、「キャリア面談だし、前向きな発言をしておくのが正解だろう」と、組織人格で振る舞っていた。一方でAさんは、そうした振る舞いに全く気付いていなかったのだ。

 

Z世代にありがちな傾向

 個人人格と組織人格はどちらが重要というわけではない。重要なのは、個人人格と組織人格がその人の中で適切にチューニングされていることだ。

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