2025年3月号掲載
仮説行動 マップ・ループ・リープで学びを最大化し、大胆な未来を実現する
著者紹介
概要
不確実性が高まる昨今、成果を上げるために重要なのは“仮説行動”だ! これは、「思考」だけでなく「行動」を通じ、自分の仮説を洗練させていく枠組みである。そのプロセスを、マップ(全体像を描く)・ループ(仮説の生成と検証を繰り返す)・リープ(決断して行動に移す)の3つで解説。業績を生む“試行錯誤”の指南書である。
要約
仮説行動の全体像
ビジネスの世界では、不確実性が高まっている。そうした状況だからこそ、優れた仮説の考え方と行動方法はこれまで以上に求められる。
ただ、これまでは「仮説思考」に注目が集まってきた。しかし、不確実かつ激変する環境の中では、「行動」がこれまで以上に大切になっている。
仮説思考から仮説行動へ
情報が豊富に手に入る状況(例えば大企業の既存事業の改善プロジェクトなど)では、すでにある情報をもとに思考や分析の精度を上げていくことで、より良い仮説に至りやすくなる。
ただ、不確実性の高い状況や不完全な情報しか手に入らない場合、精緻な思考に労力を使うよりも、行動してそこから得られた情報を活かしながら思考した方が、より良い仮説に辿り着きやすい。
そこで必要になるのが、「仮説行動」だ。
仮説行動の3つのステップ
仮説行動とは、「学びと業績を最大化するための、仮説を用いた思考と行動のプロセス」である。具体的には、次の3つのステップの組み合わせだ。
最初は「マップ」である。ビジネスにおける仮説は複数の仮説が統合されたものであり、全体の整合性が重要だ。そうした仮説の全体像となる地図(マップ)をざっくりと作ることが、仮説行動の最初にあるステップである。そしてこのマップ全体を洗練させていくには、要素となっている個別の仮説を強くしていく必要がある。
仮説を強くしていく時に必要になるのが「ループ」である。仮説を生成したら検証し、検証結果から学びを得て、仮説を洗練させることを繰り返す。そうすることで、個別の仮説を強くでき、マップ全体も強くすることができる。
最後に「リープ」だ。リープとは跳躍のことだ。どれだけ検証したとしても、仮説が100%正しい答えになることはない。だから、リスクがあろうともどこかで決断し、行動に移る必要がある。
仮説行動は、こうしたマップ、ループ、リープが互いに入り組みながら進んでいくプロセスだ。