立派な業績を上げればご機嫌取りなどしなくても自ずと上に行けると考えるのは、多くの人が犯しがちな重大な思い違いの一つである。(中略)もしあなたが上をめざすなら、仕事さえできればいいのだという考えは捨てた方がいい。(中略)
実績と昇進の関係に関しては組織的な調査が行われており、数多くのデータがそろっている。(中略)多くの組織、多くのポストで、実績はさほど重要な意味を持たないことが、データによって明らかになっている。つまりあなたの仕事ぶりや目標達成度はおなじみの人事評価にも反映されないし、在任期間や昇進にすらさほど影響しないのである。
解説
では、昇進には何が必要なのか? 例えば ――
- ・上司にあなたの存在を気づかせよ
地位のある人は忙しい。従って、上司は自分の日頃の仕事ぶりをよく見ていると考えてはいけない。しかるべき評価を得るには、まずは自分がどんな仕事をしているか、気づいてもらう必要がある。そのために一番いいのは、上司と話すことだ。
- ・上司が気にすることを気にする
上司が重視することと、あなたが大切と考えることは、必ずしも一致しない。従って、仕事で重視するのはどんなことか、自分は何を期待されているのか、といったことを折に触れ質問しよう。
- ・上司を気分よくさせる
自分の仕事ぶりについて考える時、確認すべき点がある。それは、自分の発言や仕事の成果は上司をいい気分にさせているか、ということだ。あなたが昇進する確実な方法は、端的に言って、上司を“ご機嫌”にしておくことなのだから。少なくとも仕事の成果と同程度には、上司との関係に気を配るべきだ。