1999年4月号掲載

統計でウソをつく法 数式を使わない統計学入門

Original Title :How to Lie with Statistics

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著者紹介

概要

我々は、どんなに怪しげな話でも、それに関連する統計資料やデータを見せられると、つい信じてしまう。だが現実には、肝心なデータが意図的に省かれていたり、誤った計算方法が用いられていたりと、統計にはウソが隠されていることも多い。本書ではこうしたウソや間違いの例を多数挙げながら、そのトリックを暴く。さらに、統計に騙されないための「5つのチェックポイント」についても解説する。

要約

統計にはウソがいっぱい

 統計というものを鵜呑みにするのは危険である。ある範囲内でなら、ごまかし、歪曲化が可能であるからだ。例えば ――

卒業生はお金持ち?

 「1924年度のエール大学卒業生の年間平均所得は2万5111ドル」と、ある雑誌が書いていた。

 この数字をそのまま信用してもよいだろうか?

 この数字は、卒業生たちが「知らせてきた」額を基に計算されている。

 だが、卒業からずいぶん時がたった今、住所不明という者が大勢いる。

 さらに、住所がわかっている者でも、多くが質問には回答しないものだ。特に、プライベートな質問にはそうである。

 こうしたことを考えた時、サンプルは卒業生全体を代表している、と言えるだろうか?

 まず、卒業生の中で「住所不明」の人はどんな人か。彼らは恐らく、輝かしい仕事を成し遂げていないと考えてよい。つまり、収入が少ない。

 つまり、このサンプルには、平均所得を低くしそうな2つのグループが入っていないのだ。

 この数字は、卒業生のうちでも住所がわかっていて、かつ所得がいくらかを喜んで教えてくれた特別な人たちについてのものである。それもウソは言わないと仮定した上での話だ。

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