2005年6月号掲載
フリーランチ投資家になろう! お金が勝手に稼いでくれる
著者紹介
概要
「定年後のことを考えて、投資を始めたい」「投資をしたいが、リスクを極力減らしたい」「忙しいので、毎日株価をチェックする暇がない」…。こういった声をよく聞く。本書は、そんな人にお薦めの1冊。「リスクを限りなくゼロに近づけ、リターンは大きく狙う」という夢のような投資法を解説する。そんなバカな、と言う前にまずはご一読を。
要約
「フリーランチ」とは?
「フリーランチ」—— 。この言葉は「ご馳走にあずかる」というのが本来の意味だが、米ウォール・ストリートでは、「労せずしてありつける利益」の意でよく用いられる。「リスクを増やさずにリターンを上げていく戦略」のことだ。
具体的にはフリーランチは、分散投資というリスク管理手法における最終目的の形である。
分散投資、すなわち“投資”のリスクを取りながら同時にリスク管理をしようというのは矛盾している、という疑問もあるだろう。
確かに投資対象が1つなら、リスク管理はそれを売ってしまうことだ。だが、2つ以上のものに次のような形で投資するなら話は変わってくる。
すなわち、1つめの投資は、主観的な信念に基づいて行う。しかし2つめ以降の投資では、主観や相場観といったあらゆる期待を捨て、ひたすら1つめの投資が持つリスクを打ち消すような投資対象を客観的に探し、これに機械的に投資する。
これが分散投資を行うということで、2つめ以降の投資によって全体のリスクを抑えるのが狙いである。“主観”と“客観”を組み合わせることで、全体のリスク管理が可能になるのだ。
このようにして、最初の投資が持つリターンを損なわないようにしつつ、全体のリスクをゼロにまで落としたものがフリーランチである。
主観、相場観に頼らない投資を行うというのは心理的に受け入れにくいかもしれない。だが、たとえそれが自分の意に沿わずとも、組み合わせによってできる資産全体のリスクが小さくなるのなら、ためらわず実行する。これが分散投資の極意であり、フリーランチ投資家への第一歩だ。
世界で一番効率のいい運用法
フリーランチには、2つの運用哲学がある。
① 分散投資の力を信じること
まず、「国際分散投資」がフリーランチの基本だ。“相性の良いもの”を組み合わせて分散投資をするのである。