2006年12月号掲載

ビジネスモデル戦略論

Original Title :Harvard Business Review Anthology:Revitalizing the Bottom-line People

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概要

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』誌に掲載された論文を、特定のテーマに沿って1冊にまとめ直すという、好評のシリーズの最新刊。今回は、成長企業がどんなアプローチで、利益を生み出す仕組みを築いているのか、その秘密に迫る。収録された論文は8本。いずれも、高収益モデルで差別化を図り、急成長を遂げる成功確率を高める、という戦略だ。

要約

利益を生み出す仕組みとは?

 企業はひたすら成長を目指して、商品やサービスの品質、機能、ブランドなどあらゆる属性において差別化を試みる。だが、競争は熾烈で、瞬く間に市場は成熟化し、コモディティ化してしまう。

 では、成長を遂げた企業や見事V字回復を達成した企業は、どのような戦略を採っているのか?

 いくつかのアプローチを紹介すると ——

「脱」コモディティ化の成長戦略

 V字回復に成功した企業を調査したところ、様々なアプローチがあることが明らかになった。

 それらの中で特に注目されるのは、「プロフィット・ドライバー」(利益を拡大させるカギとなる要因)の再定義、そして、UOB(unit of business:事業評価単位)や KPI(key performance indicator:重要経営指標)の変更である。

 その視点から新たな成長を捉えると、魅力に乏しい成熟産業の業界にも、成功事例が転がっていることが判明した。

 その好例が、生コンクリートという成熟産業で飛躍的な成長を遂げたメキシコのセメックスだ。

 生コンクリートには、品質の劣化が激しいという弱点がある。つまり、ミキサー車に注入し始めた瞬間から凝固し始める。

 セメックスは、伝統的なセメント企業と同じく、生コンクリートを立方ヤード単位で販売していた。ところが顧客にすれば、価格より配送の方が重要だった。つまり、必要な量を必要な時に確実に届けてくれることを望んでいたのだ。

 これを察知した同社は、配送において強みを打ち出そうと考えた。それを実現するために、フェデックスや宅配ピザ会社などを研究した。

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