2007年2月号掲載
これから何が起こるのか 我々の働き方を変える「75の変化」
著者紹介
概要
「ウェブ2.0革命」が、経済や社会、ビジネス、さらには資本主義そのものを大きく変える ―― 。時代のキーワードの1つ、ウェブ2.0革命が真に意味するもの、そして、それによって何がどう変わるのか、予想される様々な変化を語り下ろす。1995年に始まったインターネット革命以降、この10年ほどの間に何が起こり、またこれから何が起こるのかがよくわかる。
要約
ウェブ2.0革命が資本主義を変える
「ウェブ2.0革命」が、資本主義の全てを変える —— 。
こう述べると、情報革命であるウェブ2.0革命が、資本主義の全てを変えるとは思えない、と疑問を感じる人がいるだろう。
だが、ここでいう情報革命とは、単なる情報技術の革命ではない。「情報の在り方」の革命のことだ。では、この情報革命で何が起こるのか?
それは、劇的な「権力の移行」である。
そもそも情報革命という言葉ほど、曖昧な言葉はない。情報革命を象徴する言葉は、時代とともに、インターネット革命、ブロードバンド革命、IT革命など次々と変わってきた。
しかし、起こっていることの本質はただ1つ。それが、権力の移行である。これまで情報の主導権を持たなかった「情報弱者」が、主導権を手にする「情報主権の移行」が起こっているのだ。
例えば、企業においては、経営幹部から一般社員へ、市場においては、企業から消費者へと、情報の主導権が移っている。
では、権力の移行はどのように進んできたのか? それは、まず、1995年のインターネット革命によって始まった。この革命によって、世の中で次の3つの革命が始まったのである。
第1は「情報バリアフリー革命」。これにより、誰でも手軽に、欲しい情報を入手できるようになった。
第2は「草の根メディア革命」で、個人のホームページなどが数多く生まれ、誰でも手軽に、自分のメッセージを発信できるようになった。
第3は「ナレッジ共有革命」で、ウェブサイトなどを使って、高度なナレッジ(知識)のレベルの情報が多くの人々の間で共有可能となった。