2007年10月号掲載
早朝坐禅 凛とした生活のすすめ
- 著者
- 出版社
- 発行日2007年8月5日
- 定価814円
- ページ数211ページ
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著者紹介
概要
増加する自殺、子供のいじめ、低年齢化する犯罪…。今、日本の社会は深刻な「病」に冒されている。そんな時代だからこそ、疲れた時には「群れ」から離れ、「ひとり」になって己の心と向き合うことが大切である。こう語る著者が、その最良の方法である坐禅の効用や、心身を健やかに保つのに役立つ散歩、姿勢、眠りなどの身体作法について実践的に説く。
要約
日本社会を覆う「うつ」
心を病んだ日本人が増えている。
例えば、年間の自殺者数が9年連続で3万人を超えている。そして、その背後には、「死にたい」と思うほどの苦しみを抱えつつも死にきれずにいる人々が数多くいる。また、家庭内暴力、いじめなど、子供たちの世界も同じように病んでいる。
どうして、こんなことになってしまったのか?
これらは、同じ根っこを持つように見える。その根っこにある「病」とは、「うつ」である。
しかも、それは「躁うつ」のうつではない。現代人のうつには、「躁」の状態がないのだ。
通常、うつというのは、躁状態があって、次にうつ状態が訪れるという「循環性」がある。そういううつは、予測をすることが可能だ。
しかし、前後に躁のない現代のうつは、いつ起こるか予測ができない。おまけに、原因がよくわからない。だから、予防も治療も容易ではない。
では、現代の日本を「うつの時代」に陥れた根本的な原因は何か? それは、以下の2つである。
①「人間の寿命」の問題
日本人の平均寿命が右肩上がりに延びるようになったのは、ここ50年ほどのことである。それ以前は「人生50年」の時代を長く続けてきた。
人生50年の時代は、働きづめに働いて、気がついた時には死が目前まで迫っていた。
しかし、人生80年になるとそうはいかない。定年を迎えても、死を迎えるまでに20年、30年ある。ゆっくりと老い、衰えや病気とつき合いながら、徐々に死に近づいていくわけだ。