2007年10月号掲載
マネーと常識 投資信託で勝ち残る道
Original Title :The Little Book of Common Sense Investing:The Only Way to Guarantee Your Fair Share of Stock Market Returns
- 著者
- 出版社
- 発行日2007年8月13日
- 定価1,760円
- ページ数258ページ
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著者紹介
概要
米国の投資信託大手バンガード・グループの創業者、ジョン・ボーグル。この投資業界のカリスマが、個人投資家に向けて、必勝の投資術を提示する。それは、インデックスファンドによる長期投資である。本書では、株式ファンドの過去の実績の分析をはじめ、様々な視点から、なぜインデックスファンドへの投資が最高の投資術なのかを証明する。
要約
コストが投資の成否を左右する
投資で成功するかどうかは、全て常識にかかっている —— 。
計算すれば明らかなように、投資で勝利するための戦略は、全ての上場企業の株式を安いコストで保有することである。そのことによって、企業が配当と利益成長という形で生み出すほとんど全てのリターンを手にすることができる。
この戦略を実行するのは簡単である。市場ポートフォリオを購入して、永遠に持ち続ければよい。
そのようなファンドは「インデックスファンド」と呼ばれる。金融市場や業種全体の値動きをなぞるように設計されたもので、多くの卵(銘柄)が入った籠(ポートフォリオ)のようなものだ。
標準的なインデックスファンドは、広範に分散投資され、米国株式市場の銘柄を全て(あるいはほぼ全て)保有している。そして、最低水準の費用だけで投資顧問料なしに運営され、保有銘柄の回転率が極めて低く、税効率が良い。
これは、いわば、アメリカ合衆国株式会社を保有するようなものである。
* * *
過去1世紀にわたり、米国企業はその資本に対して年平均9.5%の利回りを計上してきた。
この利率で10年間の複利計算をすると、当初投資した1ドルは2ドル48セントに増える。20年では6ドル14セント、40年では37ドル72セント、50年では93ドル48セントになる。
つまり、資本主義は企業の成長を通じて富をもたらし、その所有者たる投資家にリターンを与えてくれる。株式投資は「勝者のゲーム」なのだ。
だが、一般の投資家が得る平均リターンは、市場全体のリターンを下回っている。なぜなのか。