2007年12月号掲載
コア・コンピタンス経営 未来への競争戦略
Original Title :COMPETING FOR THE FUTURE
- 著者
- 出版社
- 発行日2001年1月5日
- 定価880円
- ページ数477ページ
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著者紹介
概要
なぜ、企業は長く繁栄を続けることができないのか? それは、日々の競争に目を奪われ、「未来のための競争」に真剣に取り組んでいないからである。業界のトップであり続けるためには、自社の中核となる企業力、すなわち「コア・コンピタンス」を見極め、それを強化して、未来の市場に備えるべきだと、本書は指摘する。1994年に米国で発売され、世界的に大反響を呼び起こした1冊。
要約
なぜ優良企業が衰退するのか?
シアーズ、GM、IBMなど、近年、悲痛に満ちた企業変革を行っている会社が多い。それは、かつて業界のリーダーであった会社が、加速する変化についていけなかったことの結末である。
シアーズは、地方の人にとって、カタログショッピングが一番手軽であることはこの先も変わらないと信じていた。GMは、若い人も彼らの両親のように、シェビーからビュイック、キャデラックへと、より高い車に買い替えると確信していた。
だが、現実にはそうはならなかった。
1980年代を通じて、業界のナンバーワンの地位を維持した会社はほとんどない。技術の進歩、人口構成の変化、新興会社の参入などで、リーダー企業の栄光は次第に失われた。
業界の変革が早すぎて、市場、技術、顧客、社員の能力発揮などに関する会社経営の根本的な思想や前提を作り直す余裕がなかったのが原因だ。
変化に直面した企業は、ダウンサイジング、業務プロセスの見直しなど、様々な変革に取り組む。
こうした変革は確かに重要だが、会社をナンバーワンの座に復帰させることはできない。ましてや、会社を未来に向けて出発させるのは不可能だ。
90年初め、ゼロックスのコスト削減、品質改善などの活動は、教科書的な成功事例になった。しかし、次の2点が欠けていた。
第1に、マーケットシェアの低下に歯止めをかけたが、失ったシェアを奪い返せなかった。
第2に、ゼロックスはレーザー印刷の技術、ネットワーク技術などの先駆的な会社だったのに、コピー機以外に大きな事業を創造できなかった。
では、どうすればよかったのか?