2008年4月号掲載
「食べない」健康法 コストゼロで今日からできる驚異の健康革命!
著者紹介
概要
人は食べる量の4分の1で生きている。他の4分の3は医者の糧になっている —— 。エジプトのピラミッドの碑文には、こんな言葉が残されている。人は食べすぎるから病気になるというわけだが、確かに近年、糖尿病や痛風など、過食からくる病気にかかる人は多い。そんな現代人に向け、自ら超少食生活を実践する著者が、少食の効用と「食べない健康法」を説く。
要約
現代人は食べすぎている
「腹八分に病なし、腹十二分に医者足らず」。こんな諺があるように、食べすぎは、ありとあらゆる病気の罹患を増やす。
約30年前に13万人余だった日本の医師数は今や28万人と倍増したのに、病医院は患者で溢れ、一向に減る気配がない。それは、日本人が食べすぎ=腹十二分の状態であるからだ。
「免疫」という言葉が、最近よく使われる。これは文字通り、「疫=病気」を免れるために体に備わった能力のこと、すなわち、血液中の「白血球」の力のことをいう。
我々がお腹一杯に飲食すると、食物中の栄養素が胃腸から血液に吸収されて、血液中の栄養状態が良くなる。すると、それを食べた白血球も満腹になり、外からバイ菌やアレルゲンが侵入しても、体内でガン細胞が発生しても、食べようとしない。つまり、「免疫力」は落ちる。
逆に、我々が空腹の時は、血液中の栄養状態も低下し、白血球も十分に栄養を摂れず空腹になるので、バイ菌やガン細胞などを貪食、処理する能力が高まる。つまり、免疫力は増強するのである。
人間も動物も、病気をすると食欲がなくなるのは、この白血球の力を強めて、病気を治そうとする反応に他ならない。
食べないことの効用
約300万年前に誕生したとされる人類は、299万9900年ほどを飢餓状態で過ごしてきた。
そして、人間を形づくる60兆個の細胞のエネルギー源は、ほぼ100%、糖分に依存している。
空腹のため、その血糖が下がった時に血糖を上昇させるホルモンは、アドレナリン、ノルアドレナリン等々、10種類ぐらい存在する。一方、過食のため血糖が上昇しすぎた時にそれを低下させるホルモンは、インスリン1つしか存在しない。
こうした事実からしても、人間は空腹にはいかようにも対応して生きる術を知り尽くしている。
だが、満腹の時には、糖や脂肪、タンパク質などの過剰栄養素をどう処理してよいかわからず、高血糖(糖尿病)、高脂血症(動脈硬化、脂肪肝)、高尿酸血症(痛風)など、明らかに食べすぎを原因とする病気を起こしてくる。