2009年2月号掲載
仕事のための12の基礎力 「キャリア」と「能力」の育て方
著者紹介
概要
キャリアアップというと、とかく資格取得などに目が行きがち。しかし、生涯にわたってキャリアを充実させるには、仕事における「12の基礎力」を備えることが大切だと本書はいう。人から支援を得るための「愛嬌力」、部下を育てるための「相談力」…。キャリアデザインの専門家が、キャリアを成功させる上で不可欠なこの12の能力を、わかりやすく解説する。
要約
キャリアを成功に導く12の基礎力
キャリアとは、一体何か?
それは、「仕事で高い成果を上げること」と「仕事を楽しむこと」の2つを両立させながら、職業人生を過ごすことである。
このキャリアを充実したものにするには、次の「12の基礎力」を適切なタイミング(年代)で身に付けていくことが必要になる。
①反応(リアクション)力(10~20代)
人と人とのコミュニケーションは、会話だけで成立しているわけではない。
心理学者マーラビアンは、相手が自分のことを好きかどうか見極める時に、何を重視してそれを判断しているのかを実験した。その結果、次のような興味深い公式が導き出された。
対人態度=表情×55%+音声×38%+会話×7%
つまり、会話の内容は7%しか影響がなく、むしろ圧倒的に表情によって、相手が自分をどう思っているかを判断しているのだ。言葉以上に、表情や仕草などを使いこなさないと、円滑なコミュニケーションを取ることはできないのである。
最も簡単で効果的なコミュニケーション方法は、うなずくことだ。「あなたの話を聞いていますよ」ということを、態度によって示すのである。
経営者を見ても、反応力のある人とない人に分かれる。いつも「そんなことはわかっている」という顔付きをしている人がいるが、そんな経営者には大事な情報は集まらない。
②愛嬌力(10~20代)
ほんの二言、三言言葉を交わし、にっこり微笑むだけですっかり相手を虜にしてしまう人がいる。
そんな人を「愛嬌力」のある人と呼ぶ。この力があると、人間関係をうまく処理しやすくなる。